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viinaと呼ばれる蒸留酒
前回はフィンランドのビールを紹介しましたが、もちろん蒸留酒の人気も根強くあります。
国内では蒸留酒全般を「viina(ヴィーナ)」と呼び、ウィスキーや、ジン等はこの分類に含まれます。フィンランドでは、隣国にロシアが有る関係もあり、昔からウォッカが嗜まれており、国民一人あたりの消費量で比べると蒸留酒の中ではウォッカの消費が一番高いです。ただ近年首都ヘルシンキでも「ウィスキーフェスティバル」が開催されたり、ジンやウィスキーの新しい造り手も生まれてきていたり等、ウォッカ以外のviinaがフィンランド国内で注目が集まっています。
以前もご紹介したとおり、フィンランドの生活はベリーと密接です。リンゴンベリーを使用した「ラポニア プオルッカ」、白スグリのワインをベースにした「マリネラ フルーツ ビター」というようなリキュール、ブルーベリーフレーバーが人気のある「コスケンコルヴァ」など実に様々なベリーを軸としたviinaが生まれています。
新進気鋭のviinaキュロディスティラリー
今回ご紹介するのは、注目度があがっているviinaの中でも異質な光を放つ、「キュロディスティラリー」社のライ・ウィスキーとジンです。5人の若者が、1908年に建設されて、最近使われていなかったチーズ工場を2012年に買い取り、2014年から蒸留を始めた新しい蒸留所。
若者らしいエッセンスが入ったラベルデザイン、カタログ、コースターも素敵ですが、肝心の商品へのこだわりも若者らしく純粋でまっすぐ。主力の「ユーリ(JUURI)」はフィンランド産のライ麦を100%使用していて、6日間じっくり発酵させ、1200リットルの容量のポットスティルで蒸留されたものをボトリングしています。熟成期間は長くないですが、ふくよかな香りが印象的で、ボディーとのバランスの良さを各国で評価してもらっています。是非皆様の目に触れる機会があれば、ぜひこの若者たちの物語を思い出しながら、この真っ直ぐながら味わいを楽しんでいただければと思います。
※掲載情報は 2015/03/13 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フィンランド大使館
ムーミン、サンタクロース、サウナのふるさととして知られるフィンランドは、日本と外交関係を樹立してから間もなく100周年を迎えます。東京・名古屋・大阪から直行便で約10時間。一番近いヨーロッパの国として、季節を問わず日本から多くの観光客が訪れています。ムーミンやサンタクロース以外でも、美しい自然、優れた教育制度や洗練されたデザイン、高い技術力にゲーム産業やスタートアップなど世界から高い関心を集めているフィンランド。2014年にはムーミンの生みの親であるトーヴェ・ヤンソンの生誕100周年、2015年にはフィンランドを代表する作曲家ジャン・シベリウスの生誕150周年、2017年には独立100周年を迎えます。そんなフィンランドの情報を食文化という切り口を中心に皆様にお伝えしていきます。