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酒蔵の『まかない調味料』とは!?
立秋が過ぎても、毎日厳しい暑さが続いていますね。
おうち時間で自炊を楽しんでいる方が増えましたが、さすがにこの暑さでキッチンに立つのはなかなか過酷なもの。そんなときにぴったりの調味料「煎り酒」をご紹介します!
「煎り酒」は、純米酒に梅干と鰹節、昆布を加えて煮詰めた調味料で、江戸時代の中頃まで、当時あまり普及していなかった醤油の代わりに広く親しまれていたそうです。
この煎り酒は、梅干しのほどよい酸味が料理をさっぱりと仕上げてくれる、暑い時期の強い味方。控えめな塩味と鰹節や昆布の旨みが食材の風味を引き立て、上品な味に決まります。ほんのりと薄い色なので、料理の彩りを邪魔しないのも魅力です。
数年前から、いくつかのメーカーの煎り酒が百貨店や専門店で販売されていますが、岐阜県の「天領酒造」さんの煎り酒は、余計な材料を使っておらず、とても上品な薄味が特徴です。原材料は純米酒、梅干し、鰹節、砂糖、食塩、昆布のみで仕上げられています。
煎り酒は醬油の代わりに使われていたこともあり、醬油が広く普及してからはひっそりとした存在になりました。それもそのはず、醬油のガツンとしたしょっぱさや旨みに比べて、煎り酒はかなり控えめな味。今では料理好きの方の間で「知る人ぞ知る」調味料として使われています。
このさっぱりとした酸味と薄味は、この暑い時期の料理にピッタリ!
一般的には、卵かけご飯やお刺身、煮物などにお使いいただくことが多いようですが、
わたしのおすすめは「薬味たっぷりの冷奴」です。
キュウリや大葉、茗荷、ネギなどを適当に切って煎り酒で揉んでおき、豆腐の上にのせるだけで完成!煎り酒が薄味なので薬味の香りを上手に引き立て、その相性の良さに驚きます。豆腐を塩で〆るとより濃厚でお酒が進む美味しさに。
また、豚肉に煎り酒を揉みこんでキャベツやきのこ、ピーマンと炒める「さっぱり炒め」もおすすめです。豚肉や野菜など、今の時期に摂りたい食材をさっぱり味に仕上げるので、いくらでも食べられそう。
そのほかにも、瓶にレシピがついているので、いろいろと試してみてはいかがでしょうか。
岐阜県「天領酒造」は、品質第一の姿勢で酒造りに励み、飛騨の名酒「飛切り」の蔵元として知られています。どぶろくや焼酎なども製造しているほか、今では新型コロナウイルス感染防止対策として手指消毒用エタノールの製造も行っています。
そんな天領酒造の隠れた名品「煎り酒」で、暑い時期の料理を楽しんでみてくださいね!
※掲載情報は 2020/08/21 時点のものとなります。
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キュレーター情報
管理栄養士
松田智華
東京育ちの30代。
とくに「調味料」が得意分野で、これまでに試食してきた調味料の数はなんと2000種以上にも。
管理栄養士の資格を活かし、安心安全な食を提供するために各方面で活動中。
共著での書籍の出版、雑誌への寄稿やテレビ出演など、メディアにも多数登場しています。
好きな食べものはパイナップル、カレー、グラタン。
各地をお散歩中に見つけたおいしいものや、魅惑のお取り寄せグルメやギフトをはじめ、キッチンに立つのが楽しくなるアイテムについても発信していきます。