記事詳細
コロンビアコーヒーとのフードペアリングを愉しむ
ウェルカムドリンクを頂いた部屋から、廊下を挟んでちょうど向かいにある場所が本日のディナー会場。乾杯の時は完全に扉が閉まっていて、参加者がディナー会場に移るタイミングでオープンという心憎い演出があり、一堂感嘆の声と共に格好のシャッターチャンスになります。お洒落な席次表が用意されており、各々が自分の席を確認して着席していきます。このようなちょっとした演出が、参加者の期待を高めてくれます。 今回は、コロンビアコーヒーとのフードペアリングディナーということで、前菜、メイン、スイーツそれぞれに産地の違うコロンビアコーヒーが提供されます。これはまさにコロンビアならではのアプローチ。前菜やメインに合うコロンビアコーヒー、非常に気になります。
前菜のその前に
着席をした後、まずは参加者皆さんの自己紹介が行われました。様々なバックグラウンドを持ち、各界の牽引者でもある参加者の自己紹介は非常に興味深く、一気に新密度が増していくのが見て取れました。自己紹介が進む中、参加者の前に置かれたコーヒーカップに1杯目のコロンビアコーヒーが注がれ、前菜も置かれ、フードペアリングディナーの開始です。
前菜とナリーニョコーヒーのペアリング
1組目:Narino Coffee Duck foie gras with peach-appleconfit. White asparagaus cream with Achiote and Aguardiente marinated clam. Lychee jelly flavored with Chateau Guirraud covered with citrus honey. ナリーニョコーヒーとのペアリング カモのフォアグラ、桃とリンゴのコンフィ添え アスパラガスのホワイトクリーム、ベニノキとアグアルディエンテ(コロンビア地酒)のハマグリマリネ添え シャトー・ギロー(ボルドーワイン)風味のライチゼリー、柑橘蜜かけ
まずは、最初の1杯目のコーヒーの香りと味を愉しみます。ナリーニョ県といわれる、コロンビアの南に位置する産地のもので、海抜2300メートルの高地で栽培されるもので、爽やかな酸味と程よい甘みが特徴のコーヒーです。 前菜1つ1つのクオリティも高く、それぞれ柑橘や野菜の甘みを感じる前菜でしたが、驚くほどこのナリーニョコーヒーと合います。コーヒーの軽やかな甘みが、前菜それぞれの特に素材の味を引き立てる役割となり、参加者の「美味しい!」という言葉を引き出していました。特に、「カモのフォアグラ、桃とリンゴのコンフィ添え」との相性は抜群で、のっけから、フードペアリングの奥深さを目の当たりにします。参加者もこの一組目を味わった後から、多くの質問が飛び交うようになりました。 コロンビア国内のコーヒー事情や、コロンビアコーヒーの淹れ方等話が盛り上がる中、2組目のフードペアリングがサーブされます。
車海老と世界遺産登録三角地帯のコーヒーとのペアリング
2組目:Coffee Cultural Landscape (PCC) Coffee Breaded coconut and cheese prawn with avocado cream. Fresh salad with black eyed beans. ユネスコによって世界遺産に登録された地域のコーヒーとのペアリング パン粉をまぶした車海老、アボカドクリーム添え フレッシュサラダ、ブラックビーンズ添えと青バナナチップス
フードペアリングが進むにつれて、参加者が持つカメラのシャッター音も多くなってきます。2杯目は、ユネスコが「コロンビアコーヒーの文化的景観」として世界遺産に登録した産地のコーヒー。コーヒーの三角地帯と呼ばれる、カルダス県、リサラルダ県、キンディオ県と隣接するバジェ・デル・カウカ県を加えた4県、じつに14万1000ヘクタールの生産地域が世界遺産として登録されています。1杯目のナリーニョに比べると酸味が少なく、フルーティーな甘みを感じられるのが特徴。 今回のディナーで一番驚きだったのが、エビとコーヒーのペアリングという概念。今まで一緒に合わせようと思いもしなかった組み合わせで、参加者の驚きを一様に誘っていました。ただ、実際味わってみると、非常に相性が良いと感じました。このコーヒーが持つある種まろやかさが、エビの甘みも膨らませ、非常に良い後味を持ってきてくれます。青バナナを軽くあげたチップスとアボガドも予想通り合いますし、コーヒーのお代わりをお願いする参加者が後をたちません。このメイン料理との掛け合わせは、今回のディナーパーティーを象徴していました。
スイーツとカウカコーヒーのペアリング
3組目:Cauca Coffee Lemon drizzle served with strawberry flambe. カウカコーヒーとのペアリング レモンドリズルケーキ、イチゴフランベ添え 3杯目はカウカコーヒー。前の2杯に比べるとフローラルな香りと味が楽しめるコーヒー。 スイーツとコーヒーの相性は言うまでもなく最高で、コーヒーの高い香りがよりスイーツを引き立てていました。特にイチゴのコンポートの相性が素晴らしい掛け合わせでした。また、トップに飾られた「天使の髪」とネーミングされた飴細工も参加者の興味をかき立て、見た目も愉しませるシェフの姿勢に参加者一同喜びの声をあげていました。
このあと、今回腕を振るって頂いたLessier de Jesus Guerreroシェフが参加者の前に来ていただき、料理コンセプトの説明と、簡単な質疑応答を行っていただきました。 今回やはり気をつけたのは当然ながらコロンビアコーヒーと各食材、ソース、味付けの組み合わせ。そしてコーヒーの味を消さない繊細な各種ソースが一番気を使ったとのことでした。細かいところまで気を使って、もてなされていた料理には感服の一言です。
デザートのその後に
この後、最初の乾杯したリビングに戻り、最後のおもてなしがありました。 産地別のコロンビア産のカカオが使われたチョコレート4種類の食べ比べとコロンビアコーヒーがもてなされました。大使のロベルト・ベレスさんが小さいころから慣れ親しんだチョコレートを参加者に配るという微笑ましい姿も見受けられ、非常に和んだ雰囲気でディナーパーティーは終焉を迎えました。 参加されたゲストの方々も、コーヒーは食後に飲むという概念が簡単に崩され、相性を考えれば、前菜でもメインでも合うコーヒーがあるという新しい愉しみを発見し、満足感に包まれ大使公邸を後にしました。
今回非常に感じ入ったのは、コロンビアという国が持つ柔らかさ。コロンビアコーヒーをフードペアリングで愉しむという発想も柔らかいですが、決してゲストを緊張させることなく、大使のロベルト・ベレスさんを始めとしたホスト側の方々がゆったりとした柔らかい雰囲気で、ゲストを暖かく包み込むことによって印象的なパーティーとなりました。 建物を出た後、まだ肌寒い風を感じましたが、始まる前に降っていた雨は既に止んでいて、桃色の梅を眺めながら、コロンビアコーヒーの今後の可能性と、もう少しで来る春に想いを馳せながら家路に着きました。
※掲載情報は 2015/02/24 時点のものとなります。
- 1
キュレーター情報
ippin編集部のお取り寄せ
"あの人の「美味しい」に出会う"ippinの編集部おすすめのおとりよせ情報を配信中。
全国の厳選されたグルメ・食品、レストランメニューをお取り寄せできるショッピングサイト「ぐるすぐり」のおすすめから、心惹かれるグルメをピックアップしご紹介しています。