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ドイツのクラフトビール
ドイツビールといえば、伝統的なビールのイメージが日本ではまだまだ強いでしょうか。ビール純粋令という縛りがありつつも、ドイツでもクラフトビールのブームはいまだ健在です。
20年ほど前からドイツのビール醸造所の数やビール消費量は減少傾向にありました。しかしここ4~5年で醸造所の数は増えてきています。これは主に若い世代の醸造家たちが小規模のクラフトブルワリーをどんどん立ち上げてきていることが背景とみられています。
大都市を中心にクラフトビールのイベントもあちこちで開催されており、ドイツ国内外のクラフトビールを扱うショップや飲食店も増えてきています。
4人のブルワーと1匹のサルの醸造グループ=ブラウコレクティブ
ドイツ南西部、フランス国境近くの黒い森地方にあるフライブルクで、2014年に4人のホビーブルワー達(ドイツ人2人、アメリカ人1人、オーストラリア人1人)とマスコットのサルのスパンキーがメンバーとなって立ち上げたブラウコレクティブ(Braukollektiv)。Brauは醸造、Kollektivは集団や共同経営体を意味します。
彼ら4人は、長い間忘れられていたビアスタイルを復活させようというもの。ドイツ国内外のいろいろなビアスタイルにトライし、他のブルワー達とコラボビールを作ったりもしています。
彼らのビールへのこだわりは個性的なラベルにも見て取れます。それぞれのビールのコンセプトに合わせて動物のイラストがついていてとてもユーモラスです。
ドリーIPA
いろいろあるブラウコレクティブのビールの中から、今回ご紹介するのは「ドリーIPA」です。黒い羊が描かれていますが、黒い羊は英語では「厄介者」「はみ出し者」を意味します。このビールはIPAですが、フライブルクで作られた初めてのIPAだそうで、伝統的なドイツビールの中で異色の存在であるという意味で、黒い羊をモチーフにしたそう。
ラベルのペールグリーンからイメージできるような、爽やかな味わいのIPAらしいビール。IPAによくあるような苦みだけが突出したタイプではなく、フルーティさやモルトの味わいもバランスよく感じられます。今の季節にピッタリ。お弁当を持って公園などにピクニック、バーベキューなどアウトドアのお供にもぜひ。
あるいは羊が好きな方へのプレゼントにもいかがでしょうか?
スタイル:IPA/W-IPA
色:ゴールド
アルコール度数:6.9%
IBU:52
モルト:ペールエール、ミュンヘン、ウィーン、キャラヘル
ホップ:アマリロ、シムコ、テトナング、マグナム
※掲載情報は 2019/06/13 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ドイツ食品普及協会 代表
森本智子
ドイツ在住11年、日本帰国後はドイツ農産物振興会日本事務所にマーケティングマネージャーとして勤務。2010年同団体の解体を機に独立、株式会社エルフェンを立ち上げドイツ食品・飲料の輸入・販売サポート、展示会の出展サポート・コーディネート、ドイツの展示会、会社訪問のガイド・コーディネート、ドイツ食文化セミナーの開催、ドイツの食の情報発信に関わる活動を行っています。
株式会社エルフェン:http://elfen.jp/
一般向けのイベントではドイツ大使館主催「ドイツフェスティバル」の立ち上げ、運営メンバー。
日本ではただひとり、ドイツ ドゥーメンス・アカデミー認定ディプロム・ビアソムリエの資格を持つ。
なかなか日本では知られていないドイツのおいしい物をご紹介していきたいと思っています。
著作:フォトエッセイとイラストで楽しむ ちいさなカタコト*ドイツ語ノート 国際語学社
ドイツパン大全 誠文堂新光社
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=5380