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1890年、東京・日比谷に「日本の迎賓館」として誕生した帝国ホテル。
開業以来、世界中のVIPを迎え、様々な外交の舞台にもなり、また、2005年には当時の紀宮清子内親王と黒田慶樹さんの結婚式が催されるなど、まさに日本を代表する高級ホテルです。
ホテル内にあるショップ「ガルガンチュワ」は、帝国ホテルブランドの商品が幅広く並び、改まったシーンや目上の方へのギフトに重宝します。
今回ご紹介するのは、そのショップ内で見つけた マカロン「カクテル」。
帝国ホテル伝統のカクテル「マウント フジ」や「モヒート」、「カシスオレンジ」のフレーバーに仕上げた大人向けのマカロンです。
「マウント フジ」は、パイナップルとレモンのコンフィチュールがトロピカル。
「モヒート」は、ミントとライムのコンフィチュールにホワイトラムの組み合わせ。少し苦みもありながら、爽やかな味。
「カシスオレンジ」は、カシスとオレンジのガナッシュが新鮮!チョコレートをベースにした、カシスオレンジ風味のマカロンです。
よく見ると、それぞれのフレーバーをイメージしたデザインとカラーになったアートなスイーツです。
ところで、帝国ホテルといえば、4月に38歳の杉本雄氏が第14代東京料理長に就任した話題のホテル。
38歳で約400人の料理人を束ねる重責を担うとは、相当なプレッシャーを感じていらっしゃるのでは……と、思いました。
……が、実際にお話しをさせて頂くと、フランスで13年間研鑽を積み、ヤニック・アレノ氏やアラン・デュカス氏のもとで働くという輝かしい実績を持つ杉本氏は、良い意味で日本人ばなれした方。
プレッシャーを感じるよりも、いかに期待に応えるべきかをワクワクしながら考えていらっしゃいます。
人と人との信頼関係やコミュニケーションをとても大切にされていて、お客様と会話を交わす事も大好きなんだそう。
5月末までは、「ラ ブラスリー」で、その杉本雄東京料理長のお人柄が垣間見られる「帝国ホテル東京料理長 杉本雄就任 特別メニュー」を楽しめます。
アミューズ・ブーシュに続き、
現代風に仕上げたアスピック
ライム香るオマール海老とグリーンピースのヴルーテ
ヨーロッパ産茸とグリーンアスパラガスのフリカッセ
ヴァンジョンヌソースで
コロナタラールをまとったイトヨリ鯛のポシェ。
バジリック風味の野菜のミジョテと一緒に
国産鴨ムネ肉とモモ肉のコンフィ
ピノ・ノワールソースで。
※メインは、お魚からお肉のどちらかをチョイス
クレープ スフレ パッションフルーツとエキストラバージンオリーブオイルのソース
そのお人柄が表れたお料理やデザートは、遊び心があり大胆でありながらも繊細さがあり、明らかに新たな風を感じるものばかり。
例えば、前菜のアスピックとは、魚や肉の煮汁を冷まして固めた煮こごりですが、そのビジュアルは、まるでフランス菓子のプティガトーのよう。そして、その真っ白なアスピックの中から、真っ赤なオマール海老が現れるサプライズ感もお見事です。
ただ美味しく、素材の味わいをしっかり楽しめるだけでなく、お客様に喜んで頂きたいという想いがダイレクトに伝わってきます。
料理をすることを心から楽しんでいる杉本雄東京料理長の特別メニューは、5月末までですが、8月にはまた新たな特別メニューが登場するので、乞うご期待!
伝統と格式を重んじる帝国ホテルが、令和というこの新たな時代に杉本氏の采配で、どんな革新を遂げるのかが楽しみです。
※掲載情報は 2019/05/23 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードジャーナリスト
岩谷貴美
フードとビューティーがメインのジャーナリスト。女性誌を中心に執筆するほか、企業のコンサルティングや商品開発も行う。食のジャンルは和食・フレンチ・イタリアン・エスニックからスイーツまで。ほぼ毎日、試食会やロケハン、取材、プライベートの会食が入っているので、1日にフルコースを3回食べる事も珍しくない。 【テレビ出演】
■日本テレビ「Oha!4 NEWS LIVE」「ZIP!」「ヒルナンデス!」■フジテレビ「笑っていいとも」「ノンストップ!」■TBS「あさチャン!」「白熱ライブ ビビット」他