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胡椒の産地といえばどこを思いうかべますか?
インドやインドネシアなどの熱帯地域を思いうかべる方が多いはずです。
ただ、カンボジアを思いうかべた方は少ないのではないでしょうか。
今回は、私の店で隠し味として欠かせないカンボジア産の胡椒のご紹介です。
世界が認めたカンポット州の胡椒
なぜ、カンボジアが胡椒の産地として馴染みがないか・・・
それには、カンボジアの歴史が関係しています。
カンボジアの南部の海岸線に面したカンポット州は、
かつて、世界でも名の知れた良質な胡椒の原産地でした。
年間平均気温は約27度、丘陵地には栄養満点の赤土があり胡椒栽培に適していたのです。
ただ、内戦により胡椒農園は壊滅状態となり栽培は途絶えてしまいました。
ですが、近年、カンボジアの古き良き伝統農法にて胡椒栽培を復活させる農家が出てきました。
それを日本に輸入されているのが、茨城県にある、株式会社メビウスインターナショナルの寺島氏です。
寺島氏の妹さんのご主人様がカンボジアの方で、カンポット州の胡椒を日本に広めようと3人で協力し日々奮闘されております。
そんな中で、共通の友人である村山氏のご紹介で、試食をさせて頂きました。
その時の衝撃は今でも忘れられません。
今まで使っていた胡椒の概念を覆すような美味しさでした。
写真は、完熟赤こしょうのホールの写真です。
完熟赤こしょうは、ひと房から限られた数しか収穫できないため、とても貴重な胡椒で、
風味は、干し葡萄や完熟フルーツを連想させる芳醇で甘く香ばしい香りが特徴の逸品です。
花みやこの料理の隠し味として様々な料理に使わせて頂いています。
この時期の料理としては、粽寿司が最高です。
サーモンとの相性が良く、生胡椒を一緒に巻いています。
ぜひ、近くにお寄りの際には、食べに来てください。
皆さんの食卓の胡椒も変えてみてはいかがでしょうか。
日々の食卓が一変すること間違い無しです。
※掲載情報は 2019/05/31 時点のものとなります。
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キュレーター情報
京遊膳 花みやこ 店主 料理人
西野正巳
1965年、茨城県出身。辻調理師専門学校卒業後、有職料理を継承する京都の老舗料亭「西陣 魚新」で修行し、副料理長になる。その後、東京柳橋花柳界の料亭「いな垣」の料理長を経て、1993年、茨城県にて、「京遊膳 花みやこ」を開業。
開業時から実際に全国の拘り生産者に会い、生産現場を確認し、納得した食材だけを取り扱っている。
日本文化と和食を世界に伝える活動にも従事し地方創生にも貢献している。
また、第9回農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」において、ブロンズ賞を受賞。
2019年1月8日付けで【いばらぎ食のアンバサダー】に任命される。