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生産者から直送
高知県安芸市の畑山地区で育てられている「土佐ジロー」は、これまでグルメ雑誌などでたびたび紹介されてきた極うま地鶏だ。
通常のブロイラーはもも肉が一番うまみが濃いが、土佐ジローは真逆で、もも肉よりもむね肉、むね肉よりもささみのほうがうまみ成分が多いという。
鶏特有の臭みがなく、ほんのりした甘みも含んだそのうまみは、これまで経験したことがないほど圧倒的に美味しい。
その土佐ジローを通信販売しているのが「はたやま夢楽（むら）」という生産者。土佐ジローはもともと採卵用の鶏なので、食用で育てているのははたやま夢楽の一軒だけ。つまり生産者が自ら解体し、冷蔵0r冷凍で送ってくれるわけだ。
今回取り寄せたのは「定番 正肉肝セット1羽」というやつ。クール便で届きましたぞ。
正肉のセット
正肉のセットがこちら。上段からむね肉、ささみ、もも肉と並べてみた。右上にあるのは皮で、きれいな状態で1枚入っていた。
肝のセット
肝のセットがこちら。左上から時計回りに砂肝、トサカ（！）、白子、ハツ、レバーと5つの部位が入っていた。
生臭みがないのが嬉しい。だからこうしてまな板に載せるのもぜんぜん平気だ。驚いたのはハツで、タテ半分に切ってみたら中がとてもきれいだった。血の塊が入ってないのだ。きっと迅速かつ丁寧に放血してあるのだと思う。
手軽に焼くなら魚焼きグリル
まずはむね肉、ささみ、皮からいただく。むね肉と皮は魚焼きグリルで火を通した。先に皮を焼いて脂をじっくり引き出しておき、その脂でむね肉を焼く感じ。
本来は炭火＆網でさっと炙るくらいで食べたいところだが、まあよし。
そのかわり時間差攻撃で皮はぱりぱりに仕上げ、むね肉は中心部にピンク色が残るくらいにした。焼きすぎは禁物であります！
肝も絶品
かくのごとし。味付けは塩とレッドペッパーのみ。一緒に芽キャベツとパプリカのグリルも添えていただいた。
むね肉を頬張ると、口中に穀物っぽい香ばしさが広がった。わずかな酸味をともなったうまみが湧き出てきて、まことにウマい。
ささみはさっと湯がいて叩きに。むちむちとした歯触りで、中のレアな部分は舌にねっとりと絡みついてくる。うまみは強いがすっきり系である。ほか、各部位の感想を箇条書きにしてみると
皮：分厚くてぶりぶり弾力。でも噛み切れるしクドくない。ナッツの香りもあった。
もも肉：ささみ、むねでは感じなかった鉄分の香り。弾力が強い。レモンがよく合う。
ハツ：臭みなし。ぷりっとしている。
白子：なめし革のような独特の匂い。中がとろっとしてるのは魚の白子と同じ。
レバー：絶佳。臭み皆無。とろける食感とうまみ。もう白レバーなんかいらない。
トサカ：表面しゃくしゃく、中とろり。意外と不気味さはなかった。
砂肝：特有の臭みなく歯応え抜群。普通は固い銀皮（固い皮）も焼きたては柔らか美味。
以上が個人的な感想であります。
この1セットが冷蔵で税込4,212円（送料別）。大人2人で2日にわたって楽しめました。
ごちそうさま！
※掲載情報は 2019/03/16 時点のものとなります。
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キュレーター情報
缶詰博士
黒川勇人
昭和41年福島県生まれ。平成16年から世界の缶詰を紹介する『缶詰blog』を執筆。缶詰に精通していることから"缶詰博士"と呼ばれ、TVやラジオ、新聞など各種メディアで活躍中。国内外の缶詰メーカーを訪れ、開発に至る経緯や、製造に対する現場の“思い”まで取材するのが特徴。そのため独自の視点から缶詰の魅力を引き出し、紹介している。
著書は『おつまみ缶詰酒場』（アスキー新書）、『缶詰博士・黒川勇人の缶詰本』（タツミムック）、『缶づめ寿司』（ビーナイス）、『日本全国ローカル缶詰 驚きの逸品36』（講談社プラスアルファ新書）『缶詰博士が選ぶ！「レジェンド缶詰」究極の逸品36』（講談社プラスアルファ新書）、『安い！早い！だけどとてつもなく旨い！ 缶たん料理100』（講談社）など。小曽根マネージメントプロ所属。
お問い合わせ Mail:k-k@kosone-mp.com
