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鮮烈な香りの青山椒で麻辣を極める
世の中「麻辣(マーラー)ブーム」なのをひしひしと感じます。ここ数年の麻辣への認識の変化に、学生時代の4年間を中国で過ごした身としては、隔世の感があります。私はこの流れを大歓迎しているのですが、一過性のブームで終わるのではないか、とやや不安を感じつつもあります。実は、私は羊肉食の普及活動の他に「四川フェス実行委員会(https://meiweisichuan.jp/sisen-fes2019)」を運営にも携わっており、羊のみならず四川伝統の麻辣味も「ブームではなく、固定化へ!」を目
指しています。
さて、「しびれ鍋」や「マー活」などの基本にあるのは「花椒(ファージャオ)」と呼ばれる赤い花びらのような山椒の実の事で、あの独特のしびれ感はこのスパイスの成分です。正式名称「華北山椒」といい、日本の山椒とは同属異種となります。また、「赤花椒」と「青花椒」に分かれ、前者は強いしびれが特徴で、後者は香りが強いなど、用途よって使い分ける場合もあります。花椒と一言に言っても、産地によって、味や香りも大きく異なり、値段も高級品から安価なものまで幅広く存在します。麻辣味がお好きな方は、次のステップとして「花椒」にこだわってみるのも一興かと。
今回は、日本でも手に入る香りが自慢の青花椒「江津 青花椒面(コウシンアオホワジャオメン)」をご紹介したいと思います。この江津青花椒面は、鮮やかな緑色と香り高いことで昔から有名な花椒の産地である「重慶市江津地域」のもので、「花椒と言えば漢源、青花椒といえば江津」と言われるほどだとか。本当に、袋を開けたときに広がる「花椒香」に驚かされます。この清涼感で、一気に空気がきれいになっていくようです。
使用例としては、このさわやかな香りを生かすため、四川では漬物に加えることもあります。スパイスのように加熱してもよいのですが、粉末で使いやすく香り高い江津青花椒面はそのまま料理にふりかけてアクセントとして使うことを強くお勧めします。例えば「追しびれ」として、家庭の麻婆豆腐に加えて味に深みを出したり、カップ焼きそばなどに少しふりかけたり、いずれも味がきりりと締まります。
麻辣ブームをきっかけに花椒も広く知られるようになっている今、さらに一歩先へ種類や産地にも目を向けて見ると、一気にこのブームも深みが増します。
※掲載情報は 2019/03/11 時点のものとなります。
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キュレーター情報
羊齧協会主席(ラムバサダー)
菊池一弘
株式会社場創総合研究所 代表取締役/一般社団法人来来県代表理事/羊齧協会主席/オージーラムPR大使(ラムバサダー)/麻辣連盟(四川料理の消費者団体)幹事長 /華縁会(台湾華僑と日本人の交流団体)副会長。1978年生岩手県釜石市まれ。北京外国語大学卒業。著書に「東京ラムストーリー(実業之日本社)」「かんたん家庭で作るおいしい羊肉料理(講談社)」がある。
「とっかかりの場の提供」をコンセプトに交流会の開催、イベントの運営、場作りのプロとしてイベントや団体のアドバイザー業務を行う。
内閣府高齢者フォーラム/三菱総合研究所プラチナ社会研究所/大槌町コミュニティー再生会議/シブヤ大学/大正大学などで講師を務める。
「場創コミュニティ理論」「消費者主導の業界盛り上げ理論」「コミュニティ編集論」など、 独自の理論展開でイベント、コミュニティを利用したマーケティング、地方と首都圏の新しいつながりの創生など様々な形での「場」の設計・運営やそれらに纏わるコンサルティングサービスを提供。
本気の素人はプロを圧倒するをコンセプトに消費者に業界へ好意的第三者として意見を届ける団体をたくさん作るのがライフワーク。