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美味しいにはわけがある
以前、関わっていた、とあるグルメ番組の会議でのこと。毎週、交代でスタッフの一人が、自分おすすめNo.1のスイーツを買って来て、スタッフみんなに振る舞う。食べた感想を各自メモしておく。15人ぐらいのスタッフなので15週に渡ってそれを行い、最終的にどのスタッフのスイーツが美味しかったか投票し、優勝を決めるという「スタッフおすすめスイーツ選手権」なるものを、会議の遊びとしてやったことがある。遊びとはいえグルメ番組の会議、変なものを出したらスタッフ内での信頼度に影響する。みんなマジだった。そして今日ご紹介するのは、僕がその会議に出して見事優勝した、僕にとって思い出深いスイーツだ。
5世紀に渡って営んで来た老舗和菓子、あの「とらや」が、自由で新しいお菓子をコンセプトに出した「トラヤカフェ」の逸品、「あずきとカカオのフォンダン」である。
とらや伝統のこしあん・小倉あんに、ショコラ(カカオ)を混ぜることで洋菓子フォンダンとして生まれ変わり、シナモンの香りが、何とも上品で、一度食べたら癖になる風味にしている。 なぜ美味いのか。あずきは豆である。カカオも豆である。豆と豆は相性がいい。あんこという食べ慣れた素材が、調和をもって今まで味わったことのない進化を遂げていることに、きっと誰もが驚くから美味しいと感じるのだろう。そしてコレは、緑茶にも合い、珈琲にも合う。赤ワインにも合うので、お茶菓子にも、お酒のあてにもなるのがいい。 さらに、この重厚感と、シンプルかつおしゃれなパッケージが、お世話になっている目上の方への手みやげに実にいい。また、お詫びの菓子折りに軽いお菓子は失礼になるとも言うが、この重さなら十分だ(笑)。どんな場面でも重宝する。味も、グルメ番組スタッフ一同が認めた味。 ちなみにそのグルメ番組とは、ご存知「まいう〜」という言葉を生んだホンジャマカ石塚さんとパパイヤ鈴木さんの「元祖でぶや」のこと。ぜひ「まいう〜」な味を、お試しあれ。
※掲載情報は 2015/02/18 時点のものとなります。
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キュレーター情報
放送作家
すずきB
早稲田大学卒、在学中雑誌ライターを経て、90年「さんまのナンでもダービー」で放送作家デビュー。現在「秘密のケンミンSHOW」「ぷっすま」「ヒルナンデス」等を担当し、過去「学校へ行こう」「内村プロデュース」「桑田佳祐の音楽寅さん」等多くの人気バラエティ番組に携わる。食べ歩きが趣味で、2004年「魂のワンスプーン」を企画、「エルブジ」フェランも出演し、フード業界で話題に。「龍虎飯店」「嗚呼!花の料理人」「メントレG」「元祖でぶや」「ウチゴハン」「ロンブー淳の食べトク」など、多くのグルメ番組を企画・構成。
現在、ワインを知るWEBマガジン「ワインジョーカー」で【ワインでモテるひとモテないひと】を連載中。料理番組が舞台の漫画「食べもの愛がハンパない」の原案を担当し、単行本が発売中!
レストラン業界を元気にするプロジェクト「CHEF-1」を企画運営。スターシェフコラボイベント、日航ホテルウェディングメニュー、Oisixお取り寄せ料理も開発。自身の妻や母親のことを書いた電子書籍「離婚は遺伝だでね」と「鬼ツイートハニー」も話題。人気グルメブロガーたちのユニット「たべあるキング」メンバー、BAL担当。