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梅の郷の宿で極上梅酒を味わう
梅の郷で有名な大分県日田市大山。天領日田の奥座敷としても知られる。全国区の人気を誇るご当地の宿が「奥日田温泉うめひびき」だ。山道を進むと突如出現する宿の存在感は圧倒的。
ハード、サービス共に質の高さで人気を博す宿であるが、ひとことで表現するならば、長年梅をこよなく愛し育ててきた地に誕生した「梅づくしの宿」だ。随所に梅のモチーフがあしらった贅を尽くした空間。客室、食事、温泉どれもが一級。
宿のグルメといえば、料理長が丹精込めて創り出すディナーも最高であるが、宿に行ったら是非とも味わいたいのが「樽仕込高級梅酒ゆめひびき」。鮮度が良い梅の実のみを厳選して造られた逸品は、薫りの高さに誰しもが感動する。用いられている梅は「鴬宿梅」、日本伝統の自然な梅の品種で大玉にして皮が厚いのが特徴。ミネラルなどの梅のエキス分が豊富であり梅酒作りに適した梅だ。
朝採れもぎたての青梅が梅酒専門蔵に運ばれ、その日の午後に梅酒として浸け込むというスピーディーさ。収穫してすぐに浸け込みができるというのは、梅畑の中にある梅酒専門蔵があるからだろう。市場を通す時間さえ省いた新鮮な梅は、天然の井戸水で丁寧に手洗いされる。だからこそ熟成しても梅の酸味、香りが生きたフルーティーな梅酒に仕上がる。
仕上げられた梅酒は3年間熟成。更に高級ニッカウヰスキーの熟成に使われた木樽(ホワイトオーク樽)で追熟するという。独特の味わいはこんなところにも秘密がある。市販の梅酒は10%~14%というアルコール濃度だが、ゆめひびきはなんと20%。美しい琥珀色には生産者の濃厚な愛情が込められているのだ。
第39回日田おおやま梅まつりが開催中(2019年2月17日~3月17日)。約6000本の梅の花がまさに見頃でお宿訪問にも絶好のタイミング。“梅づくし”の施設はクオリティ一も一級、隅々まで凄い。客室も利用者目線が貫かれており、ホテルライクな快適な滞在を約束する宿だ。梅、温泉、グルメをぜひ味わい尽くしたい。
大山町で梅の栽培を始めて約半世紀という。梅と共に素敵なお宿もその歴史を紡いでいくだろう。
※掲載情報は 2019/02/22 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ホテル評論家 旅行作家
瀧澤信秋
ホテル評論家、旅行作家。All About公式ホテルガイド。ホテル情報専門サイトHotelers編集長。日本旅行作家協会会員。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。テレビやラジオ、雑誌などへの露出も数えきれず、業界専門誌への連載も手がけるなどメディアからの信頼も厚い。また、旅行作家としても旅のエッセイなど多数発表、ファンも多い。2014年は365日毎日異なるホテルへチェックインし続ける365日365ホテルを実践中。「365日365ホテル 上」(マガジンハウス)として上半期のホテル旅の記録をホテルガイドも兼ねて上梓した。著書に「ホテルに騙されるな!プロが教える絶対失敗しない選び方」(光文社新書)などがある。