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テイクアウトできる老舗ホテルのイチゴ尽くしのイチゴケーキ
ホテルとしての格式、グルメのクォリティと共にお墨付きであるホテルニューオータニの「いちごフェア」からの逸品を紹介しよう。
ホテル評論家という仕事柄、全国のホテルから様々なお誘いを受ける。新しい客室を作ったので泊まりに来ませんか? というものは多いが、新メニューを売り出すので試食にいらしてください、といったホテルグルメへのお誘いも大変多い。ホテルがグルメを重視している姿勢を日々感じているが、そのような中で、緊張しつつ自らオファーしホテルグルメ取材の申し込みをするケースもある。特にデラックスホテルが多く登場するippinの連載はかような取材を経る場合が多い。デラックスホテルのハードルは評論家にも高い。
今回はホテルニューオータニ。外資系デラックスホテルの進出で、「外資系新御三家」などの表現もなされるが、元祖御三家は「帝国ホテル」、「ホテルオークラ」、「ホテルニューオータニ」だ。ホテルは数あれど、やはり元祖御三家には別格の重厚感がある。
ところで、毎年1月から2月になると、様々なホテルで「いちご」のキャンペーンが催され食指を動かされる。今回は、そのようなイベントだからこそ、敢えて憧れの別格ホテルへ出向こうと思い立ち、ホテルとしての格式、グルメのクォリティ共にお墨付きであるホテルニューオータニの、その名も「いちごフェア」へ。
出向いたのは、ザ・メイン ロビィ階にとけ込むような品格あるコーヒーショップ「SATSUKI」。スマートな立ち振る舞いのスタッフに並べていただいた候補は3品。
エクストラスーパーあまおうショートケーキ
ホテルニューオータニ開業50周年を記念し、ショートケーキの最上級の一品として「エクストラスーパーあまおうショートケーキ」は作られた。いちごは2Lサイズの博多あまおうを8粒も使用している。ケーキの大きさはスーパーショートケーキの1.5倍。
生地にはほのかな甘みが心地よいアーモンドミルクと和三盆を使用。一般的には、カステラのような黄色い生地を見かけるがこちらは白い。玄米を食べて育った玄米卵を使用しているそうだ。食感はしっかりしている。
あまおうアーモンドリンツァートルテ
存在感ある土台にはこだわりの前述した玄米卵を使用。アーモンドミルクも加えられた、しっかりした味のオリジナル生地だ。その上にはアーモンドミルクカスタード、アーモンドミルククリームをたっぷりとかけ、最後にみずみずしい博多あまおうをまるごと11個積み上げた圧倒的なビジュアルだ。
もちろん食べてもビックリ。いちごを口に含んだ時の満足感に深いため息。上品なアーモンドミルクカスタードの甘み、しっかりとした味のシリアル生地という計算された三位一体のコラボレーションが素晴らしい。
あまおうナポレオン
バニラビーンズたっぷりの特製カスタードに、博多あまおうを2粒を挟み込み、さらに丸ごとの博多あまおうを2粒トッピングした贅沢なミルフィーユが見た目にも美しい。カスタードクリームといちごのコラボレーションは色合いも芸術的。
この連載では一番気に入った「一品」を選ぶが、今回の3品を見た瞬間、それが一つの絵となって瞬時に脳裏へ記憶された。品格あるカフェラウンジで、伝統と格式のホテルという空気感にも包まれている効用だろうが、そのようなホテルグルメのテイクアウトは、細心の注意を払い貴重品を運ぶがごとく、自宅で味わう瞬間もまるで重厚な儀式のようだった。
※掲載情報は 2015/02/15 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ホテル評論家 旅行作家
瀧澤信秋
ホテル評論家、旅行作家。All About公式ホテルガイド。ホテル情報専門サイトHotelers編集長。日本旅行作家協会会員。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。テレビやラジオ、雑誌などへの露出も数えきれず、業界専門誌への連載も手がけるなどメディアからの信頼も厚い。また、旅行作家としても旅のエッセイなど多数発表、ファンも多い。2014年は365日毎日異なるホテルへチェックインし続ける365日365ホテルを実践中。「365日365ホテル 上」(マガジンハウス)として上半期のホテル旅の記録をホテルガイドも兼ねて上梓した。著書に「ホテルに騙されるな!プロが教える絶対失敗しない選び方」(光文社新書)などがある。