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湧き水&自然豊かな旧三島町(脇野町)で作り続ける
雑誌の連載や書籍などで全国のうどんを紹介させて頂くことが、とても多いです。仕事とはいえ、全国各地に出向けたり、お話を伺えたりして、嬉しい限り。さまざまなご当地うどんはもちろん、以前もご紹介しましたが最高級小麦粉を使用した讃岐うどんなど、全国には数多くの素晴らしきうどんが存在します。そんな日々を暮らしていたら、地元の方から「ある意味、最高のうどんかも?」という連絡を頂いたのです。それが新潟県長岡市にある「まるや君が代」。創業は明治18年というから、もう百数十年。JR長岡駅から北西に約10㎞の山間というか自然豊かな脇野町(旧三島町)というところ。江戸時代から長岡藩は手延べ麺作りが盛んだったそう。その伝統産業を小林彌五左衛門(麺造り初代)が継承し、この地で麺造りを始めました。
縄文雪つららの水、そして麺帯8枚合わせ製法
現在はうどんの他、そうめんや酒粕を練りこんだラーメンの麺なども製造販売していますが、看板商品は「君が代」(登録商標)。今では決して屋号や商品名につけられない(許可がおりない)ネーミングです。それが「ある意味、最高」という所以。そして、茹でて味わえば確かに素晴らしき風味です。というのも元々、裏山より湧き出る清冽な清水、竹林をぬけ適度に湿気を含む風という、麺造りには絶好の条件の現在の場所で創業したわけですが、現在でも敷地内より湧き出る「縄文雪つららの水」を使用しています。清らかな水で有名な新潟県のなかでも「新潟の名水」に選ばれている湧水なので、うどんが美味しく作れるのでしょう。しかも長岡手延べ麺の伝統を引き継いだ「麺帯8枚合わせ製法」という技術で、うどん1本が8層で構成されているというもの。そのため、伸びにくく、コシもでるというわけ。通販などで頂いてから、もし可能なら現地に赴いてみてください。湧水もいただけるし、爽やかな空気も感じられるし、天皇皇后両陛下が長岡ご行幸の際の写真も飾られた、直営の「つるりん房」で生うどんも味わえます!
※掲載情報は 2018/12/31 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードジャーナリスト
はんつ遠藤
東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。