400年の歴史を持つ!今メキシコワインに注目が集まる理由

400年の歴史を持つ!今メキシコワインに注目が集まる理由

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アメリカ大陸のワインといえば皆さんはどこの国を思い浮かべますか。チリ、アルゼンチンと答える人が多いかもしれません。しかし、意外と思われるかもしれませんがアメリカ大陸で最も古い歴史を持つ国はメキシコなのです。そして今、長い時を経て再びニューワールドワインとして脚光を浴びています。2018年9月5日(火)に、メキシコワインのインポーターの方々を大使館へ招いてメキシコワインセミナーを開催しました。

おいしいワインができすぎて生産を中止させられた!

メキシコにおけるワイン生産の歴史は1574年にまでさかのぼります。この頃にアメリカ大陸で初めてとなるワインの生産が行われたことが確認されています。その後、1597年になると今回の試飲会でも登場するカーサ・マデロの前身となるサン・ロレンソ農園が誕生しました。メキシコにおけるワイン造りは、スペインの移民によって行われていましたが、ワイン作りに適した気候や土壌のため高品質なワインを造ることに成功していました。しかし一方で、本国スペインのワインが売れなくなってしまうため当時のスペイン王フェリペ2世が畑への種まきを禁止してしまいました。メキシコがスペインより独立を果たした1810年より再びワイン作りが再開され、現在国内の10以上の州でワインが生産されています。

メキシコを代表するワインの数々

400年の歴史を持つ!今メキシコワインに注目が集まる理由

現在メキシコでは、1,950名のブドウ生産者と207のワインメーカーがあります。意外かもしれませんが、輸出量の30%が日本に輸出されています。日本はアメリカに次ぐ、第二のワイン輸出先なのです。今回のイベントで集まったワインはどれもメキシコだけではなく、日本をはじめ世界中で高い評価を得ているものばかりです。中には、500を超える受賞歴があるもの、世界の著名な星つきレストランで提供されているものもあります。今回はメキシコを代表するワイナリーから4つのワインをご紹介します。

すべて手摘みで18ヶ月間熟成!サラビベ ブリュット

400年の歴史を持つ!今メキシコワインに注目が集まる理由

輝きのある麦わら色が特徴的なスパークリングワイン。ミネラル感のある新鮮なグレープフルーツなどの簡潔系のアロマの中に、ほのかにナッツやプリオッシュのニュアンスを感じます。シャルドネやユニ・ブランのさわやかな果実味、ピノ・ノワールのしっかりとしたコクが心地よい味わいをつくりあげています。

 

商品情報
■サラビベ ブリュット
■フレシネジャパン

500以上の受賞歴!イタリアの伝統を継承するワイナリー「ラセット」

400年の歴史を持つ!今メキシコワインに注目が集まる理由

メキシコのワイン生産量の80%はアメリカと国境を接するバハ・カリフォルニアで造られています。その中でも、老舗中の老舗ワイナリーといえば1928年創業のラセットです。もともとイタリアの移民であるドン・アンジェロ・チェットによって造られたワイナリーは現在3代目のルイス・アルベルト・チェットの時代を迎え、メキシコ最大のワイナリーとなりました。

 

今回紹介する「ラセット ネッビオーロ プライベートリザーブ」は、深く澄んだルビー色のワインから、ラズベリーなどの熟した果実のアロマ、チョコレートやコーヒーのアロマを感じます。しっかりとしたボディに、まろやかなタンニンが調和さし、豊かな味わいを長く感じます。

 

商品情報
■ラセット ネッビオーロ プライベートリザーブ
■リードオフジャパン株式会社
http://www.lead-off-japan.co.jp/

(北米)アメリカ大陸最古のワイナリー「カーサ・マデロ」

400年の歴史を持つ!今メキシコワインに注目が集まる理由

メキシコで最古のワイナリーとして知名度が抜群な「カーサ・マデロ」。コアライア州パラス・ヴァレーにあります。ワイナリーは標高1500メートルにあり、昼夜の温度差が大きいことからメキシコの高級ブドウ産地としても有名です。また、メキシコ革命時に失脚したマデロ大統領の実家でもあり、クーデターの際に親族を日本公使館がかくまったことがあることから、日本とゆかりがあるという逸話もあります。

 

今回は、代表的な100% カベルネ・ソーヴィニヨンと100%シャルドネの試飲でした。シャルドネはほどよい酸味に完熟したトロピカルフルーツのニュアンスが特徴的です。カベルネ・ソーヴィニヨンは、程よいタンニンと熟成による複雑さを楽しめます。

 

商品情報
■100% カベルネ・ソーヴィニヨン 100%シャルドネ
■サッポロビール株式会社
http://www.sapporobeer.jp/

裸のファインワイン「ビチ」

400年の歴史を持つ!今メキシコワインに注目が集まる理由

最後にご紹介するのが、ソノラ地方の方言で「裸」を意味するビチというナチュラルワイン。ブドウ栽培において化学合成された農薬、除草剤や殺菌剤などは不使用。人的・科学的介入を徹底的に控えています。ラベルデザインも遊び心がありユーモアのセンスを感じます。サンタ2016(写真右)は、接ぎ木をしていないRosa del Peruという樹齢100年以上の古い葡萄の木から生まれる繊細でエレガントな赤ワインです。厚い日には少し冷やすとよりおいしく飲むことができます。

 

商品情報
■ビチ サンタ2016
■Cross Wines
https://www.facebook.com/crosswines/

400年の歴史を持つ!今メキシコワインに注目が集まる理由

知れば知るほど奥が深いメキシコワイン。今回の試飲会にご参加頂いた皆さんにはその奥深さを知って頂けたと思います。メキシコの気候、そして肥沃な土壌は、世界中でもワイン造りに最も適した土地と言っても過言ではありません。ニューワールドワインと言われていますが、その歴史は長く、その技術と情熱は脈々と引き継がれています。

※掲載情報は 2018/09/12 時点のものとなります。

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メキシコ合衆国大使館

メキシコ合衆国大使館

北・中央アメリカに位置するメキシコは、西は太平洋、東はメキシコ湾とカリブ海に面していて、国土の3分の1は平均高度約1700mのメキシコ高原が占めています。古代にはマヤやアステカ文明で栄え、16世紀にはスペインによって支配されます。1810年まで続いた300年ものスペインによる長い統治にもかかわらず、7000年という歴史を持つメキシコ料理はその影響を最小限にとどめ、トウモロコシ、マメ、唐辛子をベース にした伝統料理をベースにした独自の食文化を守り続けてきました。その結果、2010年にメキシコ料理はユネスコ世 界無形文化遺産として登録されました。日本人に馴染みの深い「タコス」以外にも、さまざまな絶品料理がありますので本場メキシコ料理の魅力を発信していきます。

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