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日本古来から今日まで続く、漬物
伝統的な日本の料理のひとつに、漬物があります。いわゆる保存食として発達、浸透したもので、麹漬けに代表される麹などを用いた発酵タイプと塩漬けのように発酵を伴わないタイプに分類されますが、携帯するのにも便利で何かと重宝します。単体で楽しむのも良いですが、多くの場合はサブ的な役割。ごはんなどの主食に添えられれば、それだけでごはんが何杯も進んじゃうような威力を発揮します。ちなみに漬物の神社があるのをご存知でしょうか?それは愛知県あま市の萱津神社。祀っているのは鹿屋野比売神(カヤノヒメ)。草の神、漬物の神だそうで、毎年8月21日に行われる「香の物祭」には全国の漬物関係者さんが参拝なさるそう。
新田醸造が誇る、国産大根と味噌のみで作られた味噌漬け
そんな漬物の中に味噌漬けがあります。とても真面目な味噌漬けに出会いました。それが新田醸造有限会社の「信州白樺印 大根」。新田醸造は長野県埴科郡坂城町にある味噌やさん。創業は安政2年。今でも100年以上使い続けている木桶にこだわり、厳選された良質の大豆とお米を信州の清らかな水で仕込み、無添加で完成までに1年間かけて作り続けています。その味噌を使用した大根漬けなのです。味噌自体が色からして分かるとおり、結構濃い味わい。「昔ながらのみそ漬」と書かれているのが実はポイントで、構成要素は国産大根に味噌のみ。もし市販の漬物をスーパーなどで見かけたらぜひ原材料を見てください。殆どが添加物入り。でも、こちらはもちろん無添加。新田さん的には辛口と表現なさっていますが、確かに甘口ではないものの、そんなに”辛い”というほどではなく、大根に味噌の美味しさがきちんと染み込んだ、濃厚な旨みとコクのある塩加減といった表現がぴったりです。
※掲載情報は 2018/09/12 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードジャーナリスト
はんつ遠藤
東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。