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「はつかり醤油」の“醤油を超える醤油”「もろみ」
私が愛用している醤油の「もろみ」。「もろみ」はそれだけで、万能ソース、万能ダレ、万能ドレッシングの素だと言えます。
「もろみ」は醤油の素。「もろみ」を絞ったものが醤油。つまり、大豆や小麦の原料の栄養も旨味もうんと濃厚なのは想像できますね。
和食ブームといえど、醤油の製法を知っている人は少ないと思います。大豆は蒸し、小麦は炒って砕き、大豆と混ぜます。そこに麹菌を加え高温多湿の室に入れて醤油麹を作ります。これに塩水を入れたものが醤油の「もろみ」です。
現在市販されている「もろみ」は、「醤油の実」として売られたり、甘味や調味料を加えて売られたりと、加工食品として流通しているものが少なくありません。
それは、「もろみ」に自信がないからだと私は思っています。自称発酵マニアの私は、醤油蔵を訪ねるのが大好き。木桶の中に発酵・熟成を経て静かに時を待つ「もろみ」は微生物の塊。そのため、醤油蔵には凛とした空気があり、不思議な癒しの空間なのです。
瞑想するには醤油蔵がもってこいなのではないでしょうか。ただし、それはちゃんとした原料で、きちんと発酵の過程を経ているところに限ると思っております。
私が愛用しているも「もろみ」は、埼玉県川越市にある「はつかり醤油」でおなじみの松本醤油商店さんの品。醤油の味ももちろん絶品なのですが、「もろみ」がその上をいく絶品なのです。
野菜を切って漬けるだけで「もろみ漬け」が完成。
ご飯にもろみを入れて炊くだけで「もろみご飯」。中華ちまきの時にも、味付けは絶対「もろみ」。ドレッシングのベースにも「もろみ」。と醤油を超える醤油が「もろみ」なのです。
それは当たり前、なぜなら醤油のお母さんが「もろみ」だからです。
埼玉県の大豆、小麦、オーストラリアの天日塩を使用したはつかり醤油ですが、1年かけて醤油を作り、その醤油を塩水の代わりとして大豆と小麦を合わせ、再び1年。計2年をかけて仕込む、ぶったまげの伝統製法「再仕込み醤油」です。
再仕込み醤油は、山口県柳井市で製造されていますが、土地柄、甘口で、無添加のものはほとんどありません。
「はつかり醤油」は、一般的には濃厚すぎる再仕込み醤油とは異なり、製法や伝統的な木桶仕込みにより、絶妙なバランスに醸されています。さらに、こんなにも手間暇かけているにもかかわらず、非常にリーズナブルな価格であることが、他の再仕込み醤油と比べるとわかります。
「どんな料理にも合う」というと個性がない醤油のように聞こえるかもしれませんが、私は主張しすぎず、素材を引き立て、調味料としていい仕事をしてくれるものが、よい醤油の基準であると思っています。
そんな愛するスタイリッシュな醤油のもと、「もろみ」が美味しくないわけがありません。
これだけ、長年愛しているはつかりのもろみ……。唯一の欠点があるとすれば、それは使いづらいパッケージ。ビニールの袋に詰めただけで非常にシンプルなので、別の容器にすぐに移して冷蔵庫で保存してください。袋のまま保存すると、こぼれてしまうこともあり、使いづらさから冷蔵庫の肥やしになってしまうケースが多いのです。
はつかり醤油に直訴したい!!!こんなに美味しい「もろみ」なのですから、使いやすいパッケージにしてください!責任を持って、レシピ開発をやらせて頂きます。いや、やらせてくださいですね。「もろみ」がこんなに美味しいのは、原料がちゃんとしていて、伝統的な製法できちんとつくられている証しです。
様々な醤油やもろみ風商品がブームで消えてしまうのは、美味しくないことが原因です。
はつかり醤油の「もろみ」は美味しいからこそ、もったいない!と、もろみマニアの私は容器の工夫を切に希望しております。
もろみ300g ¥376(税抜)
※掲載情報は 2018/08/25 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理家/フードディレクター
タカコナカムラ
山口県の割烹料理屋に生まれる。
アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚める。
日本の伝統食・発酵食、乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発や、オーガニックカフェのプロデュースに関わる。
現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール」を主宰。
通信講座(がくぶん)では、
「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」
「AGEフード・コーディネーター」など食と美や健康に関する講座を多数監修。
一般社団法人ホールフード協会 代表理事