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マカオに根付くポルトガル文化を“食”で感じる
マカオの街を歩いていると、白いタイルにブルーで描かれた様々な絵柄の「アズレージョ」に出会うことができます。
1999年に中国への返還が行われるまで、ポルトガル領として栄えていたマカオ。ポルトガル文化を象徴する装飾タイル「アズレージョ」はそんなマカオの歴史を感じさせます。
ポルトガルからマカオにもたらされた文化は“食”にも強く影響を与えてきました。「マカオ料理」は、そんな東西の食文化「ポルトガル料理」をベースに、「中国料理」の要素が組み合わされたものです。
バカリャウのコロッケ
海に囲まれ、海産物が豊富なポルトガルは「バカリャウ(干しダラ)のコロッケ」や「イワシの炭火焼き」など、魚を使った料理が有名です。
イワシの炭火焼
マカオ市内には、多くのポルトガルレストランがあり、観光客はもちろん、地元の方にも愛され、賑わいを見せています。
受け継がれていく“味”ポルトガル料理の美味しさの理由
マカオでポルトガル料理店を営む父親のマヌエル・ペナさんと料理好きな母親トン・ライ・ペナさんに育てられ、自身も料理人の道を選んだパルミラ・ペナさん。
特別な料理としてではなく、家々で受け継がれてきたポルトガル料理のレシピは、伝統的な料理を大切にしながらも、マカオという土地にあった工夫も加えられました。食卓を囲む家族が揃って、「美味しい!」と笑顔になれるレシピだけが代々受け継がれてきたのです。
今回は特別にマヌエルさんのプライベートキッチンで、そんな温かな気持ちにさせてくれるポルトガル料理を披露していただきました。
豊富な魚貝類を使ったメニューは食べなきゃ損!
ポルトガル料理の特徴のひとつに、他のヨーロッパ諸国には見られない魚介類を使った豊富なメニューが上げられますが、マカオでも同様に新鮮な魚や貝を使ってシンプルに仕上げたメニューが人気です。中でも人気が高いアサリのワイン蒸しは、多くのレストランでも扱う定番メニュー。
アサリのレモン・ワイン蒸し
サバのマリネ
スタッフド・スクイッド(イカ)
ポルトガルといえば「バカリャウ」クリームとの相性が抜群!
バカリャウを使った料理はコロッケが有名。パルミラさんが作ってくれたのは、ポテトを加えて、たっぷりとクリームをかけて仕上げるオーブン焼きです。干しタラの旨味がクリームと一緒になり、最高のソースとなります。ダイス状に切ったホクホクのポテトがその美味しいクリームソースと絡まり相性抜群、子どもから大人まで誰もが大好きな一品です。
バカリャウ(干しタラ)のクリームオーブン焼き
ボリュームに圧倒される肉料理!熟成生ハムと豚肉料理に注目
パルミラさんによると、家庭でもっともよく食べられているのが豚肉だそうです。チキンを使った料理も多くありますが、しっかりとボリュームもあって、料理のバリエーションが豊富な豚肉料理はポルトガル料理でも様々なメニューとなって登場します。
前菜に出されたのが、48ヶ月もの熟成期間を経た贅沢な生ハム。ポルトガルはお隣スペインと同様、ドングリなど自然の飼料で育った黒豚から作る高い品質の生ハムが有名です。そして、可愛い子ブタの形をしたコロッケや、なんと6時間かけて柔らかく煮込み、一度素揚げしてから、ジューシーさが失われないようオーブンで焼いた豚肉のシチュー仕立てなど、とても手の込んだ料理が多いのです。
48ヶ月熟成黒豚の生ハム
子豚のコロッケ
豚肉のシチュー仕立てオーブン焼き
最後は「ダックライス」どこか懐かしい味「セラドゥーラ」
ポルトガル料理の定番「ダックライス」は鴨からとったスープで炊いたご飯にポルトガルのソーセージをのせ、オーブンで焼いて仕上げます。本場ポルトガルでも「ダックライス」は食べられますが、パルミラさんが作るのは少し黄みがかっています。これは、濃厚なスープを使って炊いているからだそうで、ご飯に旨味がぎゅっと詰まっています。
食後のデザートはこちらも冷たいデザートの定番「セラドゥーラ」。クリームの層にビスケットを砕いたものをまぶし、さらにもう1層クリームをのせ、最後にビスケットを上からかけたら出来上がり。とってもシンプルなデザートですが、どこか懐かしさを感じさせる、優しくて温かな味わいです。
ダックライス
セラドゥーラ
食事に合わせて楽しみたい!美味しいポルトガルワイン
マカオのポルトガルレストランに行くと必ず置いてある「ポルトガルワイン」。種類も多く、様々な料理と合わせて楽しめますが、特にお薦めしたいのが「ヴィーニョ・ヴェルデ」です。直訳すると緑のワインですが、ポルトガル北部の地域を中心に生産されている爽やかで軽快な飲み口の微発泡の白ワインです。魚料理はもちろん、野菜を使った料理やスパイスの効いた肉料理にも合わせやすい味わいです。
ポルトガルワインが比較的手頃な値段で手に入るマカオでは、ワイン専門店の他、スーパーなどの小売店でお土産に買われるという方も多いようです。
ポルトガルワインといえば、「ポートワイン」や「マデイラワイン」など、アルコール度数を高めた芳醇な香りが楽しめる酒精強化ワインが有名ですが、ぜひ、これからの季節、マカオを訪れたら、飲みやすくてサッパリと味わえる「ヴィーニョ・ヴェルデ」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
※掲載情報は 2018/07/09 時点のものとなります。
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キュレーター情報
政府観光局
マカオ政府観光局
ヨーロッパとアジアの文化が融合した独特の雰囲気を持つ都市、マカオ。
大航海時代にポルトガル人が途上の寄港地から持ち込んだ食材やスパイスと地元の料理を融合して作られたマカオ料理、本格的なポルトガル料理や広東料理を始め各式の中国料理まで多彩な食文化が揃っています。
2017年10月には、そのユニークな食文化が評価され、『ユネスコ創造都市ネットワーク』食文化都市に認定されました。
ミシュラン星付きレストランからローカルフード、エッグタルトに代表されるスイーツまでバラエティに富んだグルメが楽しめる「ガストロノミー・シティ」マカオの情報をお届けします。