昔ながらの絞り出し器で造られる有機デュラムセモリナ粉の職人パスタ

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ブロンズのダイズが造りだすパスタの表情

日本人は麺喰い民族で、そば、うどん、ラーメンからパスタまでこんなに幅広く麺料理を食べている国はないだろう。食品新聞(https:www.shokuhin.net)によると、日本で輸入されたパスタの量は14万9689tで、国内生産されたものと輸出入量から換算すると、国内供給量は28万3603t(2017年)になると。一皿に使われるパスタの量の平均を100gとすると日本では1年間で約28億皿、1日777万皿近くが胃袋におさまる計算になる。わが家では月6〜7回でパスタを食べているのだが、多くのイタリアレストランで使われているイタリアの大手パスタメーカー品を長年愛用してきた。パスタに関してはお気に入りのもの中心であまり浮気はしていなかった。だが、イタリア関係の知人に勧められたパスタを食べてから考えが変わってしまった。

昔ながらの絞り出し器で造られる有機デュラムセモリナ粉の職人パスタ

それは、イタリアの中部でアドレア海に面しているアブルッツォ州のザッカーニ社製のパスタで、今までパスタ自体の粉の味はさほど気にしていなかったが(いや、気づいていなかった)、このパスタには粉自体の旨さがあったのだ。フィレンツェ在住でジャーナリストの友人が日本へ帰ってきて、新しく開店したイタリアンレストランで食事をする機会があり、あまり馴染みのないアブルッツォ州のことを聞いたのだ。「アブルッツォ州!? あぁ、すごい田舎で国立公園があり、確かに自然豊かで景色の良い所だけど、冬には大雪が降るのよ」。ザッカーニのパスタは良質な有機デュラムセモリナ粉を使用したオーガニックパスタで、マイエッラ国立公園から冬の大量の雪が溶けて清らかな水を使っているから旨いのだと確信した。日本でも自然豊かで冬の雪の多い地域で作れる食材は旨く、水は重要なのだ。

昔ながらの絞り出し器で造られる有機デュラムセモリナ粉の職人パスタ

また、有機栽培のデュラムセモリナ粉100%であることも見逃せなく、デュラム小麦を粗挽きにしたデュラムセモリナの「セモリナ」というのは、挽き方の名称で、いわゆる「荒挽き粉」である。一般の小麦粉(「強力粉」や「薄力粉」)に比べると粗くて大きめの粉を使っているのでパスタソースに絡めやすいのだ。デュラムセモリナ粉は茹でても崩れずコシが強くパスタには最適な小麦粉なのである。そして、低温で長時間乾燥させることにより、さらにうま味が増すのだが、日本でも秋田の稲庭うどんが低温でじっくり乾燥させているのに近いかもしれない。乾麺王国の南イタリアのナポリでは、雨があまり降らない気候を利用し屋外でさんさんと照る太陽と潮風で乾燥パスタを造っているが、パスタに与えられるストレスが格段に違うのである。

昔ながらの絞り出し器で造られる有機デュラムセモリナ粉の職人パスタ

そして一番重要なことは、パスタに形成する際に使われる押出し器が昔から使われているブロンズ製のダイスであること。パスタの表面が粗く仕上がりソースに絡みやすく、もっちりとした状態になるのだ。以前、日本のイタリアンの草分けの『リストランテ アルポルト』の片岡護シェフとパスタの話をしていた時に「うちのパスタはずーっとD社製のものを使っているのだが、以前の絞り出し器は微妙な筋が表面に出てソースに絡みやすかったのが、新しく生産ラインを変えて絞り挿し器がきれいになってパスタの表面がツルツルしてダメなんだよ。古い絞り出し器に戻して欲しい!」と。これで、ザッカーニのパスタがなぜ美味しいのかという秘密を理解出来た。ザッカーニは100年以上の歴史を持つが、伝統ばかりではなくより良いパスタを作るために、昔から違う地域の職人を世界中から招いて異文化も取り込んでおり、その中には日本から来た女性職人もいるのだ。このザッカーニのパスタは長年パスタを食べてきた私が、絶対の自信を持って紹介出来る逸品である。

※掲載情報は 2018/07/07 時点のものとなります。

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キュレーター情報

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

アートディレクター・食文化研究家

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。

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