海で醸した特別の味わい!岩瀬酒造の「海中熟成酒」

海で醸した特別の味わい!岩瀬酒造の「海中熟成酒」

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千葉県の広々とした海岸沿い、サーファーたちに人気の御宿に、ワインを評価するパーカーポイントで95点を獲得した山廃純米大吟醸を作る酒蔵『岩瀬酒造』がある。こちらは、300年あまり続く歴史のある蔵元。醸造所は約300年前の瓦がそのまま使われていて、茅葺き屋根の岩瀬社長の自宅と並び、趣のある風景が広がる。
こちらには、「海中熟成酒」という珍しい酒がある。
これはどういう酒なのか? 実はこの酒には面白いストーリーがある。
江戸時代に、上方から江戸へ船で運んだ酒を陸に上げずにそのまま持ち帰り、「戻り酒」として珍重したという記述がある。これは、潮や船の揺れがどうも酒の熟成を促進するのではないか、という話で、それを検証しようと立ち上がったのが「海中熟成酒プロジェクト」だった。新潟、山形、岐阜など全国の15蔵が集まり、南伊豆沖に3200本の酒をカゴに入れて沈めた。水深20m地点に置いたので、太陽光の影響を受けないようにボトルは黒に統一し、特別なキャップで密閉した。半年後、海中から引き上げられた酒は同じ銘柄の酒に比べて、熟成が促進されたように、色が濃くふくよかな味に仕上がっていた。

海で醸した特別の味わい!岩瀬酒造の「海中熟成酒」

まさに、シェリー酒のように薄い透明な黄色が美しい。
海中の揺らぎが醸した酒。
瓶の周りには、小さな貝殻がついていて、それがこの酒の由来を思い起こさせる。

海で醸した特別の味わい!岩瀬酒造の「海中熟成酒」

『岩瀬酒造』の酒は、日本には珍しく貝殻層を通る硬質な地下水を使うため、カルシウムやカリウムを含有し、しっかりした味わいに仕上がっている。
それがまるで古酒のような趣をまとって海から戻ってきた。
限定60本なのだそう。美味しくてストーリーのある酒好きは急いで!

※掲載情報は 2018/07/05 時点のものとなります。

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キュレーター情報

博多玲子

フードカルチャープロデューサー

博多玲子

東京生まれの東京育ち。上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業。
 なんとなくポルトガル語学科に入ったのと同様、大手出版社に入社。仕事をしてみたら、編集の仕事の面白さに目覚め、『LEE』『Marisol』などの創刊に携わる。以来、長年女性誌、ビジネス書などの単行本の企画・編集を手がけた後、独立。担当範囲は、食、住、旅など。
 現在は、書籍や雑誌の企画編集ライティングを手がけるかたわら、玉川高島屋・玉川テラスにてエディターの目線で面白いテーマを取り上げる「博多玲子サロン」で、セミナーをほぼ毎月開催。
 個人的には、人気シェフのお料理教室や、「ぐうたら料理サロン」にて自身の料理教室や食事会を不定期開催。また、企業のアドバイザーなども手がける。
 今まで地方にたびたび取材や旅行に行き、素晴らしいものが埋もれていることを実感。これからは本当に役立つ地方活性に力を入れていきたい所存。

手がけた書籍:
『タニアのドイツ式整理術完全版』(集英社)
『ザ・サンドイッチ・レシピ』『HOME PARTY 料理と器と季節の演出』(世界文化社)
『りんごLovers』『まいにち、パン。』(主婦と生活社)など

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