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インパクトがあるデザインに包まれた、江戸時代末期から続く伝統菓子
毎回オススメの逸品を紹介していますが、最近好んで食べているものは、かりんとう、海苔、そしてクッキーなどなど。
そばにあれば、いつもカリカリ、ポリポリ食べています。昔から好きな食べ物で、常に身近にあったような。海苔もお菓子感覚で子供の頃から食べていました。
これらの中で紹介したい逸品、美味しいものはありますが、そちらはまた追って。今回は、ippinファンの皆さんに、とっておきの「どら焼」をご紹介しましょう。
出逢いは、約二年前の京都。友人の紹介でお会いした田丸みゆきさんは、京都の老舗菓匠『笹屋伊織』の女将。最近、テレビのコメンテーターとしてもご活躍中です。
その時に、女将にすすめられていただいたのが、この「どら焼」。
まず、驚かされるのが形状。どこからみても皆さんが想像しているどら焼でないところ。
一般的に知られているような円盤の形でなく細長い円柱状。
東京は、「どら焼」の美味しい店多し。いろんな店のどら焼きと出逢ってきましたので、固定観念を取り払い、まずはいただきました。
どら焼きを包んでいる竹の皮にナイフを入れ皮を外し、まずはひとくち。んっ、いままで食べたことのない味わい、口の中になんとも言えぬ不思議な美味しさが広がります。食べた瞬間、虜になってしまった味です。
一般的などら焼とは、全く違うもっちりとした感じで、包まれているこしあんが、これまた上品な甘さ。そこまでは良くあるパターンですが、あんと生地がひとつになった時のあの味わいは、食べてみないとわからない美味しさです。
棒状に伸ばしたこしあんに秘伝の生地を重ねて焼いてあり、モチモチとした感じは、求肥や餅にも似ています。パリで食べる本格的なクレープの生地を重ねたような味わいと歯ごたえにも似ているような……。
こちらは、毎月三日間だけ販売されているという特別なお菓子。
もともと江戸時代末期から続く伝統菓子で、京都の東寺のお坊さんより副食にもなるお菓子を作って欲しいとの依頼を受け、お寺でも作れるお菓子として考えられたものだそうです。
鉄板で焼かれるどら焼と違って銅鑼を使うことを考えついたのが、『笹屋伊織』の「どら焼」の始まりだと聞いています。
この「どら焼」、早くippinで紹介したいと思って、早二年。やっとご紹介出来ました。
中身を出す前のパッケージは、仏旗をイメージさせるような深紅色の包みも目をひく、なんともインパクトがあるデザインです。手に持った時のずっしり感、贈り物にすると、きっと喜ばれる逸品だと思います。
そのままはもちろん、竹の皮ごと蒸し器で蒸しても、電子レンジで温めても焼きたての美味しさが味わえます。
美味しさは伝えるもの、これぞ幸せの連鎖です。美味しさの笑顔は、わたしにとっての宝物です。
出逢いの数だけ美味しさがあり、笑顔の数だけ幸せがあると信じています。
「一皿一笑」……。
※掲載情報は 2018/06/27 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードスタイリスト
マロン
大阪あべの辻調理師専門学校を卒業し、料理研究家、インテリアスタイリストのアシスタントを経験後、1983年に日本でのフードスタイリスト第1号として独立。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、新聞、広告、イベント、講演会など、あらゆるメディアを通して美味しい料理、料理の楽しさを提案し続けている。経験を生かして、調理器具の開発にも取り組み、現在発売中の「マロンパン24cm」が人気を集めている。レストランのシェフでも、料理研究家でもない、食のエンターテイナーとしてダイナミックに躍進中。長崎県に生まれ、佐賀県唐津で育ち、東京をこよなく愛すも、故郷や地方の食材、料理を紹介。唐津大使を拝命、首都圏と故郷唐津を繋ぐ、お仕事を思索中。活躍は国内にとどまらず、海外、アジア各国でも料理教室を主宰。また、料理以外の、歌でも活躍中。