記事詳細
紹介している商品
弥生時代から存在した日本古来の調味料、醤油
毎日の食卓に欠かせない醤油。日本古来の伝統的調味料ですが、アジア各地でも同類のタイプが見受けられます。中国では1200年代の宋の時代に書かれたといわれる料理書「山家清供」にも登場するそう。日本の文献も古く、1474年に書かれた辞典「文明本節用集」にそのような文字が認められるとか。また弥生時代にも「醤(ひしお)」があったようで、これを最古とする説も。そんな歴史のある醤油ゆえ、全国各地に醤油醸造会社があります。その中から私がご紹介させていただくのは、埼玉県比企郡川島町に本社のある『笛木醤油』。創業は寛政元(1789)年。川島町は当時から川越藩の穀倉地帯として発展していたそう。醸造の仕方も昔ながらの伝統を守っていて、厳選された丸大豆、埼玉産小麦、メキシコの天日塩のみを原料とし、大きな杉の桶で1年から2年かけて発酵熟成させるというこだわりぶりです。
シンプルなたまごかけごはんでも本領を発揮
核となる商品は「金笛 濃口醤油」。2年の歳月をかけてゆっくりと作られるため、塩の角がなく、丸い感じというか濃口醤油なのに優しい風味。それに今では全国的にも希少な、木桶を用いた醸造スタイルゆえの木のぬくもりまで感じるような仕上がりに。
味わい方は様々ですが、例えば温かいふっくらごはんに生卵と醤油で“卵かけごはん”。このシンプルな組み合わせでも十分においしくなってしまう凄さがあります。また、独自の方法により、旨味成分はそのままで食塩のみを50%カットした風味豊かな「金笛 減塩醤油」も。他にも会社としては「だしの素」や「昆布しょうゆ」など様々な商品を提供中。しかも川越には「春夏秋冬」といううどん屋&アンテナショップもあったり。『笛木醤油』、要チェックです。
※掲載情報は 2018/06/06 時点のものとなります。
- 3
キュレーター情報
フードジャーナリスト
はんつ遠藤
東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。