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驚きはマグロの量とコスパ……その「価格」とは?
今年10月に豊洲に移転する築地の市場。残りわずかということもあり、最近“場内”を中心に、食べ歩きをしています。そんなわたしが今回注目したのは“場外”にある『おむすび屋 丸豊』です。同店は都内でも大塚の『ぼんご』などと並び、人気おにぎり店の1つで、いつか取り上げたいなぁと思っていました。
とある土曜日のこと。朝早起きして場内で朝ごはんをいただき、帰り際にランチ用のテイクアウトを目的に『丸豊』さんを覗きます。まぁいつ来ても行列ですね。並びながら、鮭ハラス、筋子、いや、あさり飯もいいなぁ……などと悩んでいたところ、“それ”が目に入ります。ん? なにこの圧倒的なビジュアル! なぜこれまで気づかなかったのだろう……。そんなことまで頭をよぎります。“それ”とは「まぐろたっぷり巻」。
おにぎりのメニュー札が店上部に掲げられ、その前に山積みされるおにぎり群(メインコーナー)に目が行きがちですが、この「まぐろたっぷり巻」はそのメインコーナー右側の陳列ケースに置かれています。おにぎりの予定を変更し、この日午後に会う友人への手土産、そして自分用と2つ購入して店を後にしました。いやいや、俯瞰して全体を観る……大事ですね(笑)。
さて、この「まぐろたっぷり巻」。いわゆる中太巻ですが、そのほとんどをマグロが占め、申し訳程度にご飯が周囲を覆っています(刻みネギ入り)。普通の鉄火巻と比較すると、バランスが逆転していますね。しょう油とわさびが同梱されているのも嬉しいところ。食べてみると、いや~美味しいですし、ご飯が少ないので腹にたまらず次々と手が伸び、あっという間に完食できます。
で、今回わたしが感動したのは、味や見た目はもちろんですが「397円」という価格。1000円取られても築地土産といえば納得できそうな内容ですし、感動ポイントは“コスパ”ですね。正直なところ、築地のすしや海鮮系の飲食店にはコスパを求めないという意識がありました。さまざまな店でメニューを見るたびに「200円程度高いな」「500円くらい高くないか?」などと思いつつも、人気観光地ゆえに許容していた自分がいます。しかし、“築地でコスパを発揮する一品発見!”というのが、こちらの「まぐろたっぷり巻」の印象です。しかも思いっきり“築地っぽい”商品ですしね。そんな築地の(個人的には奇跡と言いたい)逸品を、手土産にいかがでしょう。
※掲載情報は 2018/06/02 時点のものとなります。
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キュレーター情報
コピーライター、グルメガイド
菅野夕霧
コピーライター、PRコンサルタント、Yahoo!ニュース配信元の『市ケ谷経済新聞』編集長。グルメや酒、沖縄離島旅が趣味。特にランチは“狙い”を定め、日々電車に乗って都内を中心に食べ歩いている。甘いモノを苦手としている関係で、“甘くない”土産の逸品を追求中。現在、All Aboutグルメガイドとして老舗店を紹介する「100年店ランチ」、日本トランスオーシャン航空の機内誌『Coralway』にて、「小さな島の小さな食堂」を連載中。著書に『ヤフートピックスを狙え』(新潮社)など。