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江戸前の久寿餅って……、実は発酵食品なんです!
こんにちは、是友麻希です。
先日、とっても素敵なものを頂きました。上品な桐の箱をあけると、キレイに並んだなんとも可愛らしいハートの姿!
なんと、こちらの正体は「久寿(くず)餅」だったんです。
「久寿餅」とは、東京・神奈川・千葉で親しまれている和菓子です。一般的に白くて三角に切った形を想像されると思うのですが、『山信食産』さんでは、通常の久寿餅のほか、ハートの形をした久寿餅も販売されています。もちろん、食べ方は通常のものと同じ、きな粉と黒蜜をかけて食べます。
ところで、江戸前の久寿餅は、発酵食なのをご存知でしたか?
「久寿餅」は、関西地方で親しまれている一般的な「葛餅」とは異なり、小麦粉からグルテンを分離させたあとの浮き粉(デンプン)を1年以上発酵させて作ります。実は、和菓子の中ではとても珍しい発酵食です。独特のぷるんとした食感こそが、発酵により生まれる特徴なのです。
一方「葛餅」は葛粉を使って固められた和菓子のこと。さらに、沖縄にも芋くずと呼ばれるサツマイモのデンプンを作って作る「くず餅」があり、黒蜜が練りこんでいるものを呼ぶそうです。
こちらのハートの久寿餅、「赤」は「紅麹」、「紫」が「紫いも」、「黄」が「カボチャ」、「緑」が「ホウレンソウ」と、色づけする際の色素も麹や野菜を使って、天然のものにこだわっていらっしゃいます。
発酵食に敏感な女性はもちろん、老若男女問わず、喜ばれること間違いなしのプレゼントになると思います。
※掲載情報は 2018/04/07 時点のものとなります。
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キュレーター情報
魚料理研究家
是友麻希
一般社団法人さかなの学校 代表理事
発酵ライフ推進協会 代表
国内外からの客人の多い家庭で育ち、幼少より料理に慣 れ親しむ。 その後、聖心女子大学時代には日本史学部にて「日本の食文化」研究に勤しみ、卒業後、「銀座すしもと」にて日本料理と魚料理の基礎を学ぶ。 2005年より魚専門料理教室「Ristorante我が家」を主宰し、生徒数3000人を超える予約の取れない料理教室として多数メディアに出演。
その後、東京農業大学と共に発酵食品の研究を重ね、発酵食文化研究家の第一人者として活躍し、 発酵食品の継承のため、講演会や講師の育成に力を注ぐ。 その他、地域特産品開発アドバイザーとして新商品・レシピの開発支援に力を注ぎ、全国で講演会やセミナーを多数開催。
「cheeza」 (江崎グリコ)や「まる」CM料理(白鶴酒造)などの開発に関わる。 2017年5月 東京丸の内にて、発酵と魚の飲食店「にっぽんのひとさら」をオープン。
著書に「今日の発酵食ごはん」(ワニブックス)・「うま味レシピ」(日東書院)「酵素いきいき生甘酒」(主婦の友社)などがある。