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最近の東京のビストロは本場フランスさながらのスタイルで、食事をしていると「ここはパリ?」という気分に陥ることが多々あります。普通にそういう店が増えてきた事は嬉しいことです。あのカジュアル感溢れる料理がたまらなく、ついついワインも進んでしまいます。
フレンチはワインが飲まれるように、調理にもワインビネガーがよく使われています。白、赤と、その他シェリービネガーも使う頻度が高いです。サラダに煮込みにと重宝するビネガー、日本だと米酢がポピュラーですが、最近ステキなお酢と出逢うことが出来ました。開栓して、スプーンでテイスティングした瞬間、一瞬にして惚れ込んでしまいました。今回は、その逸品をご紹介しましょう。
「紅芋酢」は、明治26年、京都は丹後、宮津でその歩みをはじめた『飯尾醸造』の製品。紅芋には、健康に良いとされるポリフェノールの一種、アントシアニンが多く含まれています。ブルーベリーにもアントシアニンが含まれていますが、紅芋はブルーベリーの4倍だそう。その紅芋(ムラサキマサリ)を基準(1Lにつき80g)の5倍以上使った飯尾醸造の紅芋酢は、アントシアニンがとても多く含まれています。原材料は紅芋と米のみ、『飯尾醸造』のお酢への信念が感じ取られます。
※参照URL(https://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/files/4-3_1.pdf)
紅芋酢には、はちみつ入りとなしの二種類があります。お酢好きの私は冷水で割って頂きますが※、炭酸水や牛乳で割ったり、りんごジュースで薄めて飲んだりと、楽しんでいただけます。先日、サラダのドレッシングにも使用。フレンチマスタードで、ビネグレットソースを作りますが、その時は、「紅芋酢」とフランボワーズのマスタードを組み合わせ、オリーブオイルで乳化。見た目にも鮮やかな紅芋が生み出す透明な紅色が、薄くピンク色のドレッシングを作ってくれました。美しい色は食卓に華を添えてくれ、グリーンリーフとのコントラストも美しかったです。
普段、ハチミツを加えて酸味をやわらげたりしますが、やわらかな甘酸っぱさを持つ「紅芋酢」だとハチミツも加える必要がありません。トリッパやラタトゥイユの仕上げにもオススメ、酸味は程よく甘味を引き出してくれます。
私たちの仕事は、食材や調味料を生かして、美味しい料理を提供することです。長くこの仕事を続けてきてわかることは、本物の味、長く守られてきた味にはかなわない。いまでも使い続けている定番ものは、普遍的であり、これからも変わらないということです。日本のお酢も、フランスのお酢も、同じことです。
これからも、本物の味を伝え続けたいと思うきっかけになりました。ステキな出逢いに感謝……。
※「紅芋酢」の美味しい召し上がり方
毎日大さじ1杯(15ml)を目安に、水や炭酸水で8倍以上に薄め、空腹時を避けて食後にお召し上がりください。500mlサイズ1本で約1か月分です。
※掲載情報は 2018/03/15 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードスタイリスト
マロン
大阪あべの辻調理師専門学校を卒業し、料理研究家、インテリアスタイリストのアシスタントを経験後、1983年に日本でのフードスタイリスト第1号として独立。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、新聞、広告、イベント、講演会など、あらゆるメディアを通して美味しい料理、料理の楽しさを提案し続けている。経験を生かして、調理器具の開発にも取り組み、現在発売中の「マロンパン24cm」が人気を集めている。レストランのシェフでも、料理研究家でもない、食のエンターテイナーとしてダイナミックに躍進中。長崎県に生まれ、佐賀県唐津で育ち、東京をこよなく愛すも、故郷や地方の食材、料理を紹介。唐津大使を拝命、首都圏と故郷唐津を繋ぐ、お仕事を思索中。活躍は国内にとどまらず、海外、アジア各国でも料理教室を主宰。また、料理以外の、歌でも活躍中。