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城下町だった津山にぴったりの上質な和菓子「桐襲」
岡山県の北部にある津山市。岡山駅からだと電車で1時間~1時間半。車だと約1時間半の距離。古くは越前松平家10万石津山藩の城下町として栄えました。津山盆地という盆地に位置することもあり、夏は最高気温が38度、冬は氷点下と、けっこう寒暖の差も激しいのですが素敵な地です。街を歩くと城址もあり、かつての城下町的な雰囲気も醸し出しています。
そんな津山の名物和菓子というと、『京御門』の「桐襲(きりかさね)」が特に有名です。『京御門』は本店が林田町にあり、その他に高野店、小原店も。創業は昭和10年で、まさに津山を代表する和菓子店。現在は三代目が切り盛りし、さまざまな定番の商品のほか、季節感のある商品も創作する真面目な一軒。おそらく、津山で知らない人はいないのではないでしょうか? それほどの名店です。
手作り&保存料など不使用な真面目さも嬉しい
そんな『京御門』の代表的な和菓子が「桐襲」なのです。一見、よくあるタイプに見えますが、味わうと全然違います。最初に美味しさを感じるのは、しっとりとした皮の部分。その後に、滑らかな白あんの風味。と共に驚くのが、ふわりと顔を出す柚子の香りです。他のお菓子と似て非なるもの。そんな表現がぴったり。
その昔、子どもが生まれると桐を植え、15~6歳で嫁に行くときに、それで桐ダンスをこしらえ、嫁入り道具にしたのだとか。そんな思いも商品名の由来だそう。もちろん手作り&合成保存料・防かび剤や防腐剤・甘味料も不使用。ちなみに空き箱を小物入れにしている津山市民も多いみたいです。
※掲載情報は 2018/03/04 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードジャーナリスト
はんつ遠藤
東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。