名宰相ウィンストン・チャーチルと『ポル・ロジェ』との強い絆

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3月4日(現地時間)の第90回アカデミー賞授賞式がとても楽しみ、待ち遠しいです!
歴史上の人物を描いた映画はたくさんありますが、『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』はアカデミー賞6部門にノミネートされており、なかでもメイクアップ&ヘアスタイリング賞候補辻一弘氏の特殊メイクアップの技と、名宰相チャーチルを演じた主演男優賞候補ゲイリー・オールドマンの容姿、立居振舞、言葉使いは、凄すぎ!
私は125分間、釘付け状態になりました!

 

ポル・ロジェ好きだったチャーチル

名宰相ウィンストン・チャーチルと『ポル・ロジェ』との強い絆

2017年4月6日付のippin『ウィンストン・チャーチルの名を冠した最高級のシャンパン』で、ポル・ロジェの『キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル』について紹介していますので、一度、チェックしていただけると嬉しいです。
記事URL: https://ippin.gnavi.co.jp/article-9632/

 

さて、映画『ウィンストン・チャーチル』ですが、ポル・ロジェを好んで飲んでいたチャーチルならではのセリフが出てきます。
首相就任後、記者から「今後の予定は?(What’s your agenda?)」と聞かれて、「予定? とりあえずシャンパンだ(Agenda? A glass of Pol Roger.)」と答えるシーンです。
政策的なことはさておき、まずは好きなシャンパンで祝福するのだというやりとりで、字幕上は〝シャンパン〟。でも、セリフではしっかり〝ポル・ロジェ〟と言っていました。

 

ジャーナリストであり、ノーベル文学賞受賞者のチャーチルは、〝言葉〟を自在に操る名人でした。
酒好きだったチャーチルは、スコッチ、ブランデー、ポートワインの他に、シャンパンは1日にフルボトル2本飲んでいましたが、マグナムサイズ(フルボトル2本分)について、「A magnum is the perfect size for two gentlemen over lunch, especially if one isn’t drinking.」との名言を残しています。

 

上の画像は、国王ジョージ6世から、毎週バッキンガム宮殿で昼食を共にするように命じられていたチャーチルの会食場面です。ふたりの間に、ワインクーラーに入ったシャンパンボトルが見えます。フルート型のシャンパングラスを手にしているのはチャーチル。国王は昼食ではシャンパンは嗜(たしな)まないようです。

 

「マグナムサイズはふたりの紳士には最適のサイズである。特に、ひとりが飲まないのであれば」
宮殿でのランチはマグナムではありませんでしたが、チャーチルひとりで飲むボトル1本のシャンパンは彼が望むところ。先の名言がキラリと光るワン・シーンになっていました。

3月30日公開の映画『ウィンストン・チャーチル』

名宰相ウィンストン・チャーチルと『ポル・ロジェ』との強い絆

第75回ゴールデン・グローブ賞主演男優賞を見事手にしたゲイリー・オールドマンは、チャーチルの「My tastes are simple: I am easily satisfied with the (very) best ( 私の好みはとても単純だ。最高のものであれば容易に満足する)」という言葉を引用して受賞スピーチをしていましたが、チャーチルのシャンパンの好みも、その言葉と同じです!
ポル・ロジェのダルクール社長にインタビューした折、「チャーチルは好きか嫌いかは主張しても、細かいことは何も聞かなかったし、言わなかった」と語っていました。加えて「ポル・ロジェでは、その年、その年、最高のシャンパンをチャーチルの為に造っていました」と。

 

1908年からポル・ロジェを愛飲していたチャーチルが最初に飲んだのは1895年ヴィンテージ。チャーチルは力強いシャンパンが好きだったので、黒ぶどうの比率が多い『ブリュット・ヴィンテージ』を好んでいたようです。
ちなみに、キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチルは、チャーチルが1965年に逝去した後、遺族との話し合いによって生まれたシャンパンであり、1984年に誕生したのが『キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル1975』です。

 

映画『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』
1940年、ナチスドイツの勢力が拡大し、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。連合軍がダンケルクで窮地に追い込まれるなか、ヨーロッパの運命は、新たに就任したばかりのウィンストン・チャーチルの手に委ねられることになるが・・・
チャーチル没後に公開された実話をもとに、首相就任から、ダンケルクの戦いまでの知られざる27日間を描いた歴史エンターテイメント。なにより、ラストの演説シーンは圧巻!

 

監督:ジョー・ライト
脚本・製作:アンソニー・マクカーテン
出演:ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス
原題:DARKEST HOUR 2017 / イギリス
配給:ビターズ・エンド / パルコ
3月30日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
http://www.churchill-movie.jp/

※掲載情報は 2018/02/28 時点のものとなります。

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キュレーター情報

青木冨美子

ワインジャーナリスト

青木冨美子

NHK、洋酒メーカーを経て、現在フリーランス・ワインジャーナリスト。(一社)日本ソムリエ協会前理事、機関誌『Sommelier』前編集長。17世紀、3つのコトー(丘陵斜面)で造るシャンパンの愛好家によって組織された「オルドル・デ・コトー」が起源の由緒ある団体『シャンパーニュ騎士団』から2009年5月シュヴァリエ(騎士)受章、2012年5月には、オフィシエ(将校)受章。2013年4月オーストラリアワイン名誉スペシャリスト受賞、ワイン本の執筆や監修、企業向けのワイン講師。『NHK文化センター青山校』、『ホテルオークラ ワインアカデミー』専任講師。Facebook『ワインのこころ Non Solo Vino版』でワイン情報発信中。著書に『おいしい映画でワイン・レッスン(講談社)』、『映画でワイン・レッスン(エイ出版)』監修『今日にぴったりのワイン(ナツメ社)』ほか。

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