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モーツァルトの調べとオーストリアの美食に酔う夕べ
11月26日(水)の夜。それは、麻布十番駅から10分ほど歩いた、オーストリア大使館で開催されました。その日は、国際モーツァルテウム財団が所蔵するモーツァルトが愛用したヴァイオリンのお披露目パーティー。オーストリア本国から国際モーツァルテウム財団の代表者様もオーストリア大使館にお越しになっていました。ベルンハルド・ツィムブルク大使からお話を伺いましたので、その様子をご報告します。
オーストリア大使館の外観は茶系統のタイル張りで重厚な造りですが、中に入ると一点シックな趣の調度品が並んでいて、所々に暖色系の花も配置され、ゲストを暖かく迎えてくれました。
ゲストはウェルカムドリンクをとり、グランドピアノが配置された会場に移動。 こちらの部屋も、シックな調度品で統一され落ち着いた雰囲気を醸し出しています。皆様着席をして、今夜の本命を待ちます。
今回のヴァイオリニスト・フランク・シュタードラーさん(モーツァルテウム管弦楽団コンサートマスター)がモーツァルトが使ったといわれる年季の入った、そして、なんだか艶があるヴァイオリンを颯爽と持ちながら登場し演奏開始。荘厳な雰囲気とヴァイオリンからの調べが耳にすぅーっと入っていくのは、造られて250年にもなるこのヴァイオリンが持つ歴史の重みか、それともこのオーストリア大使館が醸し出す落ち着く雰囲気がそうさせるのでしょうか。そんなことを考えているうちに演奏は大きな拍手を受けて終了しました。
演奏が終わり、別室ではブッフェスタイルのパーティ準備はされていました。ナプキンの紅白は、オーストリアの国旗の色に合わせて用意されたものなのでしょうが、なんか日本を想ってくれているような感じで嬉しいです。ちなみにプレートについている丸いのは、ワイングラス受けです。立食が多くなるこのようなスタイルでは、非常に嬉しい気遣いです。 今回のレセプションで、振舞われたメニューはこちらです。 Green salad 季節野菜のサラダ Beans salad 4種の豆のサラダ Krautfleckerln キャベツとパスタの温かいサラダ Open faced sandwich オープンサンドウィッチ Pumpkin soup 南瓜のスープ パンプキンシードオイルの香り Salmon strudel with dill sauce サーモンのシュトゥルーデル ヨーグルトとディルのソース添え Beef Gulasch with Spatzle and vegetable 牛頬肉のグーラッシュ スペッツレと彩り野菜と共に Apple strudel 林檎のシュトゥルーデル Chocolate cake チョコレートケーキ
テーブルコーディネートも国旗の色でもある、赤と白がアクセントとして、彩り豊かに配置されています。
カナッペにも似た前菜にピッタリの逸品。オーストリアは良質なパンを作る国としても知られますが、食材との相性もよく考えられ、提供されたドリンク類との相性もばっちりでした。
提供されたパンの種類も豊富で、丸いパンの中央に5つのカーブ(星型)の切れ目が入ったカイザー・メンゼルも用意され、ゲストから感嘆の声が上がっていました。
一番ゲストの驚きを奪っていたのは、こちらのパンプキンスープ。スープはオーソドックスなパンプキンスープですが、この中に、カボチャの種と、パンプキンシードオイルを入れて飲むというスタイルで今回は提供いただきました。パンプキンの甘みと、オイルの芳醇な香りと味が複雑に絡まって、非常に飲んだ後も余韻を楽しめるお気に入りの逸品でした。
今回、料理を作っていただいたのは、なんと日本人シェフの堀内さん。縁あってオーストリア大使館のお抱えシェフとして、日々邁進されております。
ドリンクは、ビール、ワインのほかにもジン、野生の木苺リキュールも用意され、ゲストの好みで様々なドリンクが用意されました。
最後は250年奏で続けたヴァイオリンを画に収めて会場を後にしました。モーツァルトの調べがまだ軽く耳に残る中、外に出ると冷たい風で軽く現実世界に戻されましたが、今回のオーストリア大使のおもてなしの温かさと、モーツァルトも奏でたというあのヴァイオリンが紡いだ250年という長い歳月に想いを馳せると、寒さは不思議と和らぎました。音楽と食という饗宴を存分に味わった夜でした。
パンプキンシードオイル
主にオーストリア近隣の国で栽培されているペポカボチャは、もともと、実ではなく種を炒って食べられることが多い野菜で、薬用に使われているのがペポカボチャです。濃いグリーン色をしているパンプキンシード オイル。ナッツのような香ばしい味と香りが特長です。ちょっとした隠し味に便利なオイルです。
※掲載情報は 2015/01/09 時点のものとなります。
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キュレーター情報
オーストリア大使館
オーストリアはドイツの南方、中部ヨーロッパの内陸に位置し、面積は北海道より少し大きく、9つの州から成り立っています。地理的にヨーロッパの交通の要所だったため、さまざまな食文化の影響を受けています。18世紀、首都ウィーンはハプスブルグ王朝の帝都としてますます発展をとげました。ウィーン料理とお菓子の発展は、ハプスブルク家の歴史と深く結びついています。帝国の発展ととともに、ウィーンには様々な料理とお菓子が各国からもたらされました。ウィーンのお菓子職人によって、もともとは素朴なものだった郷土菓子が、豪華なスイーツに変身したといわれています。ウィーンだけではなく、9つの州それぞれに独特な郷土料理や文化を育んできたのもオーストリアの魅力です。歴史あるオーストリア料理とお菓子を通してみなさんにオーストリアの魅力を伝えると共に、興味を持ってもらえる話題をご提供していきます。