キリスト教の伝統が色濃く残るブルガリアのクリスマス

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40日間の断食でクリスマスを迎える準備

キリスト教の伝統が色濃く残るブルガリアのクリスマス

ブルガリアでは、クリスマスは1年で最も大切なイベントです。24日と25日は祝日になるため、離れて暮らしている家族や親戚も戻って来て、家族が集まる日でもあります。キリスト教の教えにもとづき、伝統的なスタイルのクリスマスを送る人もいれば、プレゼント開ける日として、子供たちのためにクリスマスを取り入れている人もいます。いずれの場合も、集まった家族がおのおのプレゼントを用意して、クリスマスツリーのまわりに置いて行きます。

またブルガリアでは、クリスマスの40日前から断食をしてクリスマスに備える伝統があります。そして、クリスマスイブの12月24日と、クリスマス当日の25日とでは、食べるものが違うのも特徴です。断食期間中は肉類を食べないのが習わしで、乳製品やタマゴも避けます。このように動物性のものをとらない断食は年に2回あり、クリスマス前の断食と復活祭の前の断食がそれにあたります。クリスマス前に断食をしない場合も、24日の食事だけは肉類を避ける人がほとんどです。そして、料理の数は必ず7、11など奇数にこだわるのが伝統となっています。

クリスマス・イブは肉類を食せず野菜が中心

24日の料理は、いわゆるベジタリアンメニューです。ここで欠かせないのは儀式につきもの『ピタ』と呼ばれるパンです。各家庭で手作りすることがほとんどで、パンの中にあらかじめコインを忍ばせて焼き上げ、祖母など家族の中で一番年上の女性がみんなの分を切り分けます。この時、コインが入っていた人には、健康と福が訪れ良い年になると言われています。コインはできれば新しいもの、なければできるだけきれいで大きな額のものを選び、ビニールで包んでパンの中に仕込みます。また、よく使う食材には『豆類』があります。前菜のサラダの中に、スープの中に、という具合にさまざまな料理で使われています。同じようによく使うのが『パプリカ』です。代表的な料理には、パプリカの中にお米をや刻んだ玉ねぎ、人参などを詰めて使いオーブンで焼く料理があります。パプリカは乾燥させたたものを水で戻して使うこともあります。また、クリスマスに欠かせない料理にとして『サルミ』もあります。これは、ロールキャベツのように、米をキャベツの葉で包んだものです。その他に果物、ナッツ類、ハチミツも必ずテーブルに載ります。くるみはを使った占いみんなで楽しんだりもします。クルミの殻をむいた時に、実がどのような形になっているかで判断するもので、欠けていたり、虫食いがなくきれいな状態に保たれていたら吉です。また、デザートにはブルーンやリンゴなどを乾燥させたものを水につけて戻し、砂糖を加えてコンポートにしたりもします。

クリスマス当日は肉類も加わり豪華な食事

キリスト教の伝統が色濃く残るブルガリアのクリスマス

25日のクリスマス当日は、肉も食べることができるので、チキンや豚を使った料理が多くの家で食べられています。挽き肉を使った料理もあります。地方の人たちにとってクリスマスは、1年間この日のために育ててきた「豚料理の日」でもあります。料理は女性の仕事ですが、豚を絞めて解体する作業は男性が担当します。1日では食べきれない量なので、干したり、瓶詰めや塩漬けなどにしたり、ソーセージを作るなど保存食として冬場の食糧にします。また、豚1頭から約15〜30kgものラードが取れますが、それも塩漬けにして保存します。地方によっては、豚の血を使ったウインナーを伝統にしている地域もあります。

この日は伝統的な料理も用意しつつ、サラダ、メイン、デザートをいくつか作って食べるのが恒例となっています。そしてもちろん飲み物にはワインが用意されます。ブルガリアのワインの歴史は古く、ワイン作りの起源は4,000年以上前まで遡るといわれています。現在でもブルガリアの人々にとって、ワインはお祝い事などに欠かす事のできない生活の一部なのです。

ナイペルグ伯爵がブルガリアで手掛けたワイン、エニーラ

キリスト教の伝統が色濃く残るブルガリアのクリスマス

まろやかで甘い赤い果実の香りが印象的で、チョコレートやココアのような香りも感じられます。口に含むとトロリとしていてエキス分が非常に高く、果実味がしっかりとしており、同時に綺麗な酸味と丸みのあるタンニンが感じられます。

葡萄品種:メルロー66% シラー12% カベルネ・ソーヴィニョン10% プティ・ヴェルド12%

熟成:フレンチオークバリックにてMLF後12ヶ月熟成。

キリスト教の伝統が色濃く残るブルガリアのクリスマス

カシスやブラックベリーなど黒果実を中心に、革のような野性的ニュアンス、シラーらしいたっぷりのスパイス感も。柔らかく官能的な口当たりのあと、凝縮された果実味と伯爵がエニーラの特徴と謳う「石灰質のミネラル」が広がります。

葡萄品種:シラー100%

熟成:フレンチ・バリック(新樽100%)にてMLF後同バリックにて18ヶ月熟成。

※掲載情報は 2014/12/25 時点のものとなります。

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ブルガリア共和国大使館

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ブルガリアはバルカン半島に位置し、北はルーマニア、西にセルビア、マケドニア共和国、南にギリシャ、トルコと隣接し、東には黒海があります。北海道より少し大きい国土で、首都はソフィアです。香水用のバラ栽培が世界最大産地ということでも有名です。ブルガリアの食でみなさんはヨーグルトを連想する人が多いと思いますが、さまざまな民族の食文化の影響、特にトルコ、ギリシャ、ルーマニア料理との共通点が多いです。また、良質なワインの産地としても有名です。

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