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レスキュービネガーと呼ばれる理由
1628年、フランスで黒死病が蔓延し人々を苦しめていた頃、感染を逃れ、盗みを繰り返す4人のどろぼうがいました。どろぼうだけが黒死病に感染しなかったというアンビリーバボーなお話は、日本でいう「桃太郎」のように語り継がれているそうです。
捕えられた彼らにその秘密を迫ったところ、ハーブを漬けた酢を使っていたとカミングアウト。死刑と引き換えに秘密のレシピを伝えました。彼らは、セージ、ローズマリー、ニンニク、ミント、シナモン、ナツメグ、樟脳などを漬け込んだ酢をカラダに塗っていたそうです。1748年にこのレシピがCODEXに登録されたと聞くと、さぞ素晴らしい配合だったのではないかと想像されますね。
黒死病のペスト菌を媒介するのはノミなので、殺菌作用、防虫作用のある酢を体に塗る方法は確かに有効なのかもしれません。現代でいうと、虫よけスプレーみたいなものなのでしょうか。酢は台所の掃除にも活用できる天然の殺菌剤といえます。
今でも南仏地方では、この「Vinaigre des quatre voleurs」という名のついた酢が売られているそうです。
その秘密のレシピを改良し、今に蘇らせたのが「フォーシーブスビネガー28」です。
ボトルにある画像は、75歳で起業したフランス人のMr,UBERTI。植物やハーブの効能について独自の研究を重ね、ナチュロパス、自然療法士として指導をしていました。世界各地で、ビネガーを飲む習慣があることに着目し、ハーブ入りのアップルサイダービネガーを製品化しました。
彼は、92歳になる2016年まで「世界中の人々が健康で幸せにであってほしい」と現役で仕事を続けていたそうです。
ひとくち飲んでみると、つんとするというよりは、ニンニクやハーブの香りを感じ、酸っぱいというよりは美味しい酢という印象を持ちました。
現地では、そのまま飲むだけではなく、うがいに、打撲時のシップに、虫さされに、果てはペットや植物にまで使われているというレスキュービネガー。
現代では黒死病はないにしても、インフルエンザや感染症予防に「4人のどろぼうの酢」、なんとも効きそうな気がしませんか。
かつて、黒死病の治療をする人は、感染予防にカラダを覆い隠すほど長く厚地のロングコートを身につけ、鳥のくちばしのようなマスクをしていました。その烏天狗ばりの不気味さが今に受けているのか、ネット通販でこのマスクが「コスプレ用」として販売されているのも、おもしろいですね。
フォーシーブスビネガー28
価格:3400円(500ml)(税込)
※掲載情報は 2017/11/07 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理家/フードディレクター
タカコナカムラ
山口県の割烹料理屋に生まれる。
アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚める。
日本の伝統食・発酵食、乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発や、オーガニックカフェのプロデュースに関わる。
現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール」を主宰。
通信講座(がくぶん)では、
「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」
「AGEフード・コーディネーター」など食と美や健康に関する講座を多数監修。
一般社団法人ホールフード協会 代表理事