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フランスには、日本のような贈答菓子文化というものが根付いていません。が、パーティーなどに招待されたときには、ショコラを贈り物にする習慣があります。特にノエルのパーティーでは、数人がショコラを持ち寄るので、食後のお楽しみといえば、その味比べ! 中でも一番人気はやはり、ジャン=ポール・エヴァンのショコラです。そんなノエルのパーティーにこの12個入りのボワットゥが登場したら、もう奪い合いになること請け合い!
このボワットゥは、今年のノエルのためだけに詰め合わされたものです。さらに12個のうちの2個は、“ドロップ”と名付けられたノエルにしか味わえない限定商品(カット写真中央)! これは、最近エヴァン氏がこだわっているキューバ産のカカオのガナッシュをビターチョコレートでコーティングしたボンボン・ショコラで、ちょっと収れん性のあるクーヴェルチュールの味とガナッシュの燻製風味が見事にマッチ。奥行きのあるショコラの世界を表現しています。その他、発案された当初から私が大好きなショコラが、ライムで香りをつけたガナッシュとビターチョコレートの組み合わせの“トリニダ”(写真左)です。ミルクチョコレートだったら、ガナッシュに軽さを追求した、“マノン”(写真右)はいかがでしょう。キャラメル風味のふわっとしたムースにフルール・ド・セルがほどよく効いた、エヴァン氏ならではの塩梅が心地良い一品です。クリスマスプレゼントとして、あるいはこの1年がんばった自分へのご褒美に、そして、パーティーに華やぎを添える一品として
お勧めです!
※掲載情報は 2017/11/01 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フランス菓子・料理研究家
大森由紀子
学習院大学文学部仏文科卒。パリ国立銀行東京支店勤務後、パリのル・コルドン・ブルーで、料理とお菓子を学ぶ。パリ滞在中、ツール・ダルジャン、アンブロワジー、アルページ、フォション、ホテル・ニッコーなどで修業し、ピエール・エルメやジャン・ポール・エヴァンとともに仕事をする。フランスの伝統菓子、地方菓子など、ストーリーのあるお菓子やフランス人が日常で楽しむお惣菜を、メディアを通して紹介している。目黒区祐天寺にてフランス菓子と惣菜教室を主宰。フランスの伝統&地方菓子を伝える「クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ」の理事。「貝印スイーツ甲子園」のコーディネーター、「世界50ベストレストン」の審査員、ル・コルドン・ブルー卒業生代表を務める。毎年、フランスの地方の食を訪ねるツアー、サロン・ド・ショコラツアーを開催。主な著書:「フランス地方のおそうざい」「私のフランス地方菓子」「パリ・スイーツ」「フランス菓子図鑑」など30冊以上。