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100年待たないと出会えないはちみつの秘密
レザーウッドハニー(Eucryphia lucidaユークリフィア ルシド)
黄金色に輝く美しいこのはちみつは世界一空気が綺麗なタスマニアの食べる香水とも呼ばれ、薔薇とサクラの香りを併せ持つハチミツです。昨年もこのはちみつをご紹介していますが(https://ippin.gnavi.co.jp/article-7910/)、なんと言ってもこのはちみつの特徴は素晴らしい香りと濃厚な甘さの陰に隠れた樹木の渋みと苦み、桜餅のような清涼感。このはちみつの味を作る自然の懐の深さは他に類を見ません。
蜜源植物のある森は国が管理していて、ゴンドワナ大陸の当時から姿を変えていないのではないかと思われるほど自然豊か。ここに入れる養蜂家は国から指定された5人の養蜂家のみ。
採蜜できるようになるには樹齢100年ともいわれるほどの年月をかけ、ゆっくりと花蜜を作るレザーウッド。
なぜこれほどの歳月をかけないと花蜜が出ないのでしょうね。
レザーウッドの最盛期は12月(夏)。夏とはいえ平均気温が20度前後、日照時間が7時間と短く寒暖の差が非常に大きいそうです。冷涼で湿地な地域を好むレザーウッドは短い夏の日差しをじっとため込んでゆっくり大きな樹木になっていくのでしょう。
だからこそ長い年月をかけないと十分な花蜜を蓄えることができないのでしょうね。
ハニー・オブ・ザ・イヤー初代最優秀賞、今年で連続3回入賞
はちみつマイスター協会の主催するハニー・オブ・ザ・イヤーは2015年から始まりましたが、初代のグランプリ最優秀賞を獲得したはちみつがこのタスマニアのレザーウッドです。
一般の主婦が始めたはちみつの個人輸入はかなりの難易度。
輸入をするに当たり、ドイツの検査を行ったものでは通関が通らず、オーストラリア側の大使館に協力してもらいオーストラリアの検査機関で検査をしなおしたりして、やっと天然はちみつとして、通関できたとか。
その後もタスマニアの森林火災で養蜂場の手前まで焼けてしまい、100年もかかるレザーウッドのはちみつがもう手に入らないのではと諦めたこともあったようです。
そんな苦労の結果獲得した最優秀賞のトロフィー。こちらは初回のみの限定トロフィーです。
その後2014年、2015年と3年連続で優秀賞を獲得している「食べる香水」とも呼ばれるはちみつの女王はリキッドタイプと結晶タイプでは味わいが違います。
食べる香水と言われるフルーティーなバラや桜の香りとフレッシュな甘さ。すっきりした清涼感を楽しみたい方はリキッドタイプ。
熟成した伽羅や白檀の香木のような高貴な香りと甘苦さ、ギュッと引きしまった甘さの中にどこか懐かしい和菓子を思わせる結晶タイプ。
どちらも個性的な味わいを持つレザーウッド。
2つまとめてプレゼントしたらきっと喜ばれると思いますよ。
※掲載情報は 2017/10/06 時点のものとなります。
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キュレーター情報
日本はちみつマイスター協会代表理事
平野のり子
2009年日本初のはちみつ資格
「特定非営利活動法人 はちみつマイスター養成講座」の本部講師として通信講座のテキスト作りやテイスティング講座・はちみつ美容講座などを開催。
以前から鬱があり、はちみつを食べる事ですっかり元気になる。
この経験をもとに、2012年「一般社団法人 日本はちみつマイスター協会」を立ち上げ、一つひとつのはちみつが持つ個性や特徴を引き出す食べ方や使い方をご紹介。
主に通学講座、セミナー、テレビ、ラジオ、雑誌等ではちみつの素晴らしさを紹介。その他レシピ製作、企業セミナー、はちみつ専門店の社員教育等も行う。
毎年8月にはちみつづくしのイベント「はちみつフェスタ」を主催。
はちみつ好きには堪らないイベントとして定着。http://www.83m.info/event/2014-festa.html
また監修本、美肌になるための衣食住に使えるレシピ本「美肌メソッド」は河出書房から絶賛発売中。