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健康志向&品薄もあって、バターの注目度、急上昇
北海道を車で走っていると、広々とした空とともに、広大な大地に驚かされます。延々とまっすぐ続く道、緑豊かな風景は、全国の中で特に素晴らしいものがあります。そしていつも思うのは牧場の多さ。減少傾向とはいえ全国には800を超える牧場があり、そのうちの1/4が北海道にあります。そしてその8割が乳用牛の牧場。ミルクやチーズなどの乳製品が有名なのも頷けます。そんな北海道の乳製品の中でも、バターは安定の人気を誇ります。健康志向で、マーガリンのトランス脂肪酸を敬遠する人が増加する昨今、バターはより注目度が上昇。とともに品不足も重なり、より上質なものに注目が集まっています。日本には北海道のほか、栃木、兵庫、佐賀、大分にトラピスト修道院があります。新約聖書にまで遡り、イエスの模範と教えに基づく世共住修道院生活の伝統に基づきながら、聖ベネディクトが自らの修道者のために書いた修道規律に則った修道院。
発酵バターゆえの秀逸な香り&味わい、なめらかな食感
その北海道北斗市三ツ石の、トラピスト修道院の製酪工場で製造されているのが「トラピストバター」です。中世から続くフランスのシトー会修道院の伝統製法による稀少な発酵バター。日本などでは長らく非発酵バターが主流となっていますが、本来は発酵バターが元祖、というか製造技術が未発達な古代では必然的に発酵しちゃっていたそう。今はブームも相まって、原料のクリームを乳酸菌によりわざわざ半日以上発酵させて作るところも。こちらのトラピストバターもチーズのように発酵熟成させているので、香りが豊かで消化も良いみたい。原料はクリームと食塩のみ。もちろん保存料や着色料などは不使用で、天然食材のみ。脂分が少なく、爽やかなコクと滑らかさ、しっとり感が見事です。
※掲載情報は 2017/09/13 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードジャーナリスト
はんつ遠藤
東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。