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ポークハムでは絶対に感じることのない味わい
今年は雨ばかりの夏の東京には申し訳ない感じもしますが、北海道はいい天気で暑かったですねえ。しかし朝夕の涼しさは格別。そんな北の大地も9月に入るともうすっかり秋の気配です。今回ご紹介する浦臼の神内ファームは札幌から車で1時間ほどの、のどかで小さな町です。そこに240ヘクタールもの土地で主に酪農とフルーツを作っている農場があります。
その特徴は日本でも希少な、「あか毛和牛」を育てていることにあります。その独自の基準は赤身率が70%を維持すること。適度なサシを維持してヘルシーで味わいの深い牛に育てられています。
ピンネシリの山々を望み、圧倒的に広い草原でのんびりと草をついばむ姿に、時間の流れを忘れてしまうほど。のんびりとストレスなく過ごしている、あか牛の姿を見ていると、こうした自然の恵みを絶えずいただいている自分たちは、ほんとうに幸せ者だと改めて思ってしまいます。
さて、浦臼の道の駅にある直営店で購入してきたのが、神内あか牛のハム。これがびっくりですよ。すーっと包丁を入れると綺麗な赤身とほのかなサシ。ハムの香りがふわっと沸き立ち、食欲が一気に加速。
口に含むとさらに驚きが。サシの脂分がゆっくりと溶けてきて、赤身の旨みとぎゅっと重なり舌の上を転がります。これはポークハムでは絶対に感じることのない味わいかもしれません。
このハムの美味しさを更に楽しむには、ワインと合わせるのがベスト。赤ワインですとピノノアールとのマリアージュがベストでしょう。赤身を引き立てサシの脂身と見事に溶け合います。シャルドネなど白ワインとの相性も悪くありません。スッキリとした後味は強く印象に残るはず。
ちょっと贅沢に食卓を飾るときや、ホームパーティーや手土産にもぴったり。北海道の懐の深さを改めて感じる逸品といえるでしょう。
※掲載情報は 2017/09/15 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードビジネスデザイナー
嶋啓祐
全国の農村漁村をくまなく巡り、そこで使うホンモノの素材を探すことをライフワークにしています。ホンモノはいつも隠れています。全国の肥沃な土地で、頑固で不器用な生産者が作る「オーガニックな作品」を見つけて、料理人が少し手を加える。それが「ホンモノの料理」になります。毎月地方に足を運び、民泊に泊まり、地元の方々とのコミュニケーションを作るのが楽しみです。自然豊かな日本全体が食の宝庫です。自然、風土、生産者、素材、そして流通と料理人とその先にいる顧客。食に関わるすべての方が幸せになるような「デザイン」を仕事にしています。1963年に北海道は砂川(日本一になった美味しいお米ゆめぴりかの産地)で生まれ、18歳上京。大好物はイクラ、クレソン、納豆、ハーブ、苦手なのは天津丼などあんかけ系、豚足、焼酎。趣味は全国の神社巡りとご朱印集め。2018年より自宅料理コミュニティ「ビストロ嶋旅館」を主宰。