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“Pink is the new black.”今はロゼワインが流行っています
こんにちは。料理研究家/食のトータルデザイナーの小野孝予です。
世間では秋モードになって来ていますが、まだまだ暑い日もあるはず!と思いまして、今回は私がこの夏ハマったニューヨークのロゼワインを紹介したいと思います。
このニューヨークのロゼワインを知ったのは、たまたま参加したチーズとワインの講座時です。正直言ってワインはあまり期待していなかったのですが、予想を裏切られました。クールでエレガント、上品な酸味のすっきりした辛口!ロゼワインにありがちな薄さや水っぽさは全くありません。夏の暑い時に心地よく、大変美味しくいただきました。これまで夏と言えばシュワシュワの泡ワインが私の定番で、ロゼワインは春のお花見の頃に飲むものだと思っていました。しかしそれを覆してしまうような出会いだったのです。
さて皆さまは、「えっ、ニューヨークでワインを造っているの?!」と驚かれたのではないかと思います。私たち日本人が思い浮かべるニューヨークは、マンハッタン、ブロンクス、ブルックリン、クイーンズ、スタッテン島の5つの行政区からなるニューヨーク市なのです。ところがニューヨーク市を含むニューヨーク州は、北海道と九州を合わせたぐらい広くて大きいのです。
青森県とほぼ同位置にあるニューヨーク州は、カリフォルニア州、ワシントン州に続いてワイン生産量が全米第3位です。ワイン産地は、湖、大西洋、河、つまり水の近くに位置するので、夏は涼しい風が吹き込み、冬は寒さや霜からの被害のリスクも緩和されます。ニューヨークワインが「バランスがよい」、「エレガント」、「お食事にも合わせやすい」と言われるのは、冷涼な気候(クールクライメイト)が活かされているのですね。因みにこちらのロゼワインは、ニューヨーカーの高級避暑地として有名なロングアイランド東端のザ・ハンプトンズにある、セレブ御用達ワイナリーで醸造されています。
余談ですが、このロゼワインを販売しているGO-TO WINEの後藤さんによると、ニューヨーカーの間では “Pink is the new black.” との言い方が流行っているとのこと。”the new black”とは「今年の流行色」を意味するスラングで、ファッション業界でよく使われるようです。しかし「今年はピンクが流行色」という意味ではなく、”Pink”は「ロゼワイン」を指すので、「今はロゼワインが流行っている」という意味になるのです。さりげなく、“Pink is the new black.”を会話で使えたら、格好良いですよね~。
もちろんおしゃれなおもてなしの食卓にピッタリのロゼワインなのですが、和食にもよく合います。我が家の夕食時にも大活躍です。皆さまもぜひ一度お試し下さいませ。
※掲載情報は 2017/08/24 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理家/チーズプロフェショナル
小野孝予
大手航空会社キャビンアテンダントとして12年程勤務し、その後は食の世界に転身。現在は家庭料理、チーズ&ワインの教室を主宰すると共に、NPO法人チーズプロフェッショナル協会幹事を務める。外部セミナー講師、コラム執筆、レシピ考案、商品開発&プロモーション、メディア出演。昨今はSDGsの食品ロス削減、エシカル消費、アップサイクルにも繋がるちょっと新しいチーズの楽しみ方「チーズアシェット(R)」を推進中。
著書「チーズ☆マジック おいしい、みんな大好き!ごちそう家ごはん」 (清流出版)
料理教室クオリア主宰 チーズ料理研究家 シュヴァリエ(フランスチーズ鑑評騎士の会) ソムリエ きき酒師