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フランスの本格的なハードパンを食べたいなら、是非!
バゲットにハムとチーズだけを挟むシンプルなパリ風サンドイッチ。味の決め手になるのは噛めば噛むほどに味わい深くなるハード系のパンです。朝食にはもちろんですが、ちょっとしたホームパーティーやリラックスして過ごしたい夜は美味しいバゲットに香り高い発酵バターや上質なオリーブオイル、それに赤ワインがあればそれだけで良いと思えるほどです。
そんな時に足を運ぶのがご近所にあるパン屋さん「レ・サンク・サンス」さんです。こちらの店構えはまるで、パリの街の一角にあるパン屋さんのよう、シックなブルーの色彩が特徴です。
中に入るととても香ばしい香りが漂い、大人気のクロワッサンや充実したハード系パンが並んでいます。カヌレなども販売されていて、まさにパリのブーランジェリー。
私も大好きなバゲットは香ばしい小麦の香りともっちりとした食感で噛めば噛むほど味に深みが出ます。伝統的なフランスのレシピを受け継いできた技術に加え、丁寧に作られている生地自体の美味しさが際立っています。
お店一番のオススメ商品「ロデヴ」は南仏の山岳地帯にある小さな町「ロデヴ」発祥の野性味あふれる
大きなパン、水分の多い生地をゆっくり発酵させ時間をかけて石釜でじっくり焼かれています。量り売りをしてくださるのもポイント。
もし、ハード系の種類がありすぎて迷ってしまうという方でも大丈夫。それぞれのパンに
合うお料理や食べ方が商品名と一緒に書いてあります。今回はスタッフおすすめの「パンアンティーク」でチーズトーストにしてみました。ロースト小麦のスモーキィな香ばしさがチーズとよく合って、とても美味しかったです。
ハード系のパンはそのままでいただくのとトーストしたのとでは食感が変わりますし、
合わせる食材によって相乗効果で美味しさに深みが出るのも魅力的です。花と器、器と場、組み合わせで表情が変わるいけばなにも通じます。
ところで、店名の「レ・サンク・サンス」とは、フランス語で「五感」という意味。日々の気候により変化するパン作りに重要な温度や湿度に合わせたパン作りを目指していらっしゃるということで、「五感」を働かせながら仕事をするといった意味を込めてつけられたそうです。
私も花を通して、季節の移り変わりや心に浮かんだ風景を表現するのですが、作品作りに向けて、日々様々な自然の変化に敏感でありたいと思っています。
パン作りもそんな作品づくりに通じるものがあるのだと、改めて気づかされました。日々の変化を敏感に感じ取り、その美味しさを作り出していく「レ・サンク・サンス」さんのパン。五感が作り出すパンひとつひとつに職人さんの心意気がつまっているんですね。
※掲載情報は 2017/08/24 時点のものとなります。
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キュレーター情報
広山流第四代家元
岡田広山
幼少より伯母である三代家元に手ほどきを受け、大学卒業後、社会人生活を経て2000年に副家元を、2004年に四代家元を襲名。2010年には創流100周年を記念した花展と祝賀会を開催した。
初代より受け継がれる「自然の姿を大切に」の精神を守りながら、若手いけばな作家として、また母としての視点から、「今、いけばなにできる事」を信じていけばな界の発展の為に活動している。
現在、聖心女子大学・聖心女子学院でのいけばな指導の他、公益財団法人 日本いけばな芸術協会 理事、一般社団法人 帝国華道院 理事、いけばな協会 理事、港区華道茶道連盟 副理事長を務める。