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今注目のブッシュフードとは?
オーストラリアに数万年も前から住み続けるアボリジナルは、オーストラリアの土地を移動しながら生活していました。狩猟や植物を採取して生活していたので、動植物について膨大な知識を持ち、その豊富な知識は今でも世代を超えて受け継がれています。オーストラリアでは1980年代半ばからレストランなどで、先住民アボリジニが食べてきた食事や食材「ブッシュフード」が提供されるようになり、ブッシュフードを扱ったテレビ番組が放映されるとその人気は全土に広がりました。
今回は、アボリジニーの知恵が詰まったブッシュフードを2つと、オーストラリアで栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高いと言われ料理の材料としても使用されるスーパーフードを3つご紹介します。
アボリジナルの知恵が詰まったブッシュフード
オーストラリアのタスマニア島の低木樹から採取される「タスマニアペッパー」。ハーブやベリーのような風味と共に、山椒のような辛味を味わえる非常に貴重な食材です。先住民はこのペッパーを薬として、また料理のスパイスとして利用してきました。非常に使い勝手がよく、現在でもオーストラリアでは、伝統料理をはじめ、さまざまな料理に使われています。
また、ヘーゼルナッツ、コーヒー、チョコレートを香ばしく乾燥させたような味わいの「ワトルシード」も先住民によって1,000年も前から食されてきたと言われています。小麦粉よりプロテインを多く含むといわれており、カレーに入れてもコクが良く出ます。
【スーパーフード】ジューシーで酸っぱい果実デビッドソンプラム
アボリジナルの言葉で「オーレイ」と呼ばれ、果皮は濃いブルー、中身が真っ赤に近いピンクの果実「デビッドソプラム」。少し土の香りがし、ハイビスカスやルバーブジャムのような甘さとムスクのような匂いが特徴的です。甘みがほとんどないため生で食べられる事がほとんどなかったのですが、最近では高い栄養価が認められて、果実のプラムも市場に出回っています。
【スーパーフード】神様からの贈り物カカドゥプラム
アボリジナルの神話的概念である「永遠夢幻時」からの贈り物とされてきたカカドゥプラムは、4-10メートルの高さの細長い木です。9月から12月にかけてクリーム色の香りのよい小さな花をつけ、生薬としても使われてきました。果実と種の両方を生でそのまま食べるのが、伝統的な食べ方です。生で食べる事も可能ですが、現在は、ジャムやソース、スポーツドリンクやハンドクリームなどの美容品として使われています。リンゴやナシのパイのような甘酸っぱい香りと、シトラスとフローラルムスクのすっきりとした香りがします。
【スーパーフード】キャプテン・クックも愛した?ライベリー
ライベリーは、レモン、ユーカリなどと同様のフトモモ科の植物。ライベリーの実は12月~3月頃に熟します。梨のような形をした赤色のベリーです。アボリジナルの子供はおやつとしてこの実を食べ、大人は耳が痛い時に治療薬として使ったと言われています。キャプテン・クックがオーストラリアを訪れた際に、発見した果実で、最初の食用植物だったとされています。ムスクやブッシュハニーのような甘くスパイシーな香りで、酸味の効いた少し渋みのある甘い味わいの果実です。何万年も先住民から受け継がれてきた知恵が凝縮されたブッシュフード。健康に生きるために皆さんの食生活にも取り入れてみませんか。
※掲載情報は 2017/08/05 時点のものとなります。
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キュレーター情報
オーストラリア大使館
オーストラリアには北部の熱帯から南部の温帯へと大陸を縦断して多様な気候があります。広大な土地と豊かな自然環境を生かして、畜肉、大麦、小麦、野菜や果物、チーズやバター、アイスクリーム、魚介類、菓子、ジュース、ビール、ワインなど生産しています。日本とは季節が真反対の為、時期によって日本国内で調達することが難しい産品も供給可能です。更に、日豪経済連携協定により肉やワインなど多くの産品の関税が撤廃もしくは削減されお求め安くなりました。特殊な地理的条件と豊富な原材料、食品の安全性や品質保証に関する厳格な基準や制度、高度な加工技術により、高品質な産品を世界各国へ安定供給してきたオーストラリアは、クリーンで安全な食料輸出国として認知され国際的に評価されています。また、多民族・異種文化が共存するオーストラリアには、それぞれのニーズに合った食品を幅広く供給する独特な基盤があります。食品認証制度・基準のHACCPやISOは勿論のこと、オーガニック、バイオダイナミック、コーシャーやハラールなど特定の条件を持つ製品にも対応し、最近では、グルテンフリー・アレルギーフリー食品や機能性食品なども多く生産しています。