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友人たちと夏ごぼうの煮物をつまみに冷酒を飲みながら、「ご飯が何杯でもいける添え物」の話をしておりました。最初は梅干し、納豆、キムチなどだったのですが、そのうち北海道の松前漬、秋田のいぶりがっこ、静岡のわさび漬など自分の出身地や馴染みのある土地の漬物の名前が出始めました。日本のソウルフード「漬物」は、ご当地の特色も出やすいんですよね。
最近、漬物グランプリなるものまで出てきて漬物の世界は賑やかなようです。当然、新しい漬物も生まれてくるわけで、セロリの漬物が注目を集めているのだとか。夏ごぼうを食べていたからというわけではありませんが、現在、僕がハマっているのは栃木県で作られている「ごはんにかけるごぼうと昆布」。ごぼうの漬物って意外にありませんが、ごぼうと昆布の相性のよさに驚かされます。昆布から出るネバネバが、ごぼうにからみあい、ご飯が何杯でもいけてしまうのです。
基本的に、ごぼうは日本人しか食べません。海外の人から見ると根っこにしか見えないんでしょうね。第二次世界大戦中、日本人がアメリカ人の捕虜の食事にごぼうを出したことで、「日本人は木の根を食べさせた」として国際裁判にまでなったという話さえ残っています。こんなに美味しいのに。
今度、外国の方に、この漬物を食べさせようと思っています。ちなみに2016年漬物グランプリ金賞を受賞しています。
※掲載情報は 2017/07/06 時点のものとなります。
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キュレーター情報
旅行作家・エッセイスト
イシコ(石原英一)
1968年岐阜県生まれ。静岡大学理学部数学科卒業後、大道芸を使った子供ショーをしながら全国を行脚する生活を10年程続ける。2003年(有)ホワイトマンプロジェクト設立。5年間限定で国内外問わず50名近いメンバーが顔を白塗りにすることでさまざまなボーダーを取り払い、ショーや写真を使った表現活動や環境教育を行う。一方、女性ファッション誌編集長、WEBマガジン編集長を経て、「MONOマガジン」や「散歩の達人」などに連載を持つようになり、エッセイストとしての活動を始める。2008年から2009年まで「SKYWARD」、「SANKEI EXPRESS」、「nakata.net」など新聞、雑誌、WEBに「旅」や「食」をテーマにした連載やブログを持ちながら世界一周。
帰国後、岐阜県安八町に移住し、ヤギと暮らしながら、「旅」と「散歩」をテーマにWEB、書籍、テレビ、講演、商品プロデュースなどを通して表現している。著書に「世界一周ひとりメシ」(幻冬舎文庫)、「世界一周ひとりメシ in JAPAN」(幻冬舎文庫)、「世界一周飲み歩き」(朝日文庫)がある。