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毎日食べてもらうように願いをこめたフランスの国民的クッキー
フランスの国民的クッキーといえば、LU社のPetit Beurre(プティ・ブール)と呼ばれるこのクッキー。全国のスーパーや駅の売店でも販売しており、子供のいる家ならひと箱は保管しているはず。よく見ると周囲にギザギザ、そして表面全体に小さな穴が開いています。が、このギザギザと穴の数は、どの箱を開いても決まっています。これには理由が。
フランスはロワール地方、ナントで生まれてこのクッキーですが、LU社 創設者の息子が1986年に、このお菓子を四六時中、全国民に食べてもらいたいという願いから、以下のクリエーションを考えました。1年の週の数、つまり52のギザギザを周囲に施し、4つの季節を4個の角で表現し、1週間7日を、このクッキーの幅7cmで表し、1日の24時間を表すために表面に24個の小さな穴をあけました。もちろんこんな秘密を知らないで食べているフランス人が大部分だと思いますが、彼の思惑通りの展開になったと言えましょう。
※掲載情報は 2014/12/10 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フランス菓子・料理研究家
大森由紀子
学習院大学文学部仏文科卒。パリ国立銀行東京支店勤務後、パリのル・コルドン・ブルーで、料理とお菓子を学ぶ。パリ滞在中、ツール・ダルジャン、アンブロワジー、アルページ、フォション、ホテル・ニッコーなどで修業し、ピエール・エルメやジャン・ポール・エヴァンとともに仕事をする。フランスの伝統菓子、地方菓子など、ストーリーのあるお菓子やフランス人が日常で楽しむお惣菜を、メディアを通して紹介している。目黒区祐天寺にてフランス菓子と惣菜教室を主宰。フランスの伝統&地方菓子を伝える「クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ」の理事。「貝印スイーツ甲子園」のコーディネーター、「世界50ベストレストン」の審査員、ル・コルドン・ブルー卒業生代表を務める。毎年、フランスの地方の食を訪ねるツアー、サロン・ド・ショコラツアーを開催。主な著書:「フランス地方のおそうざい」「私のフランス地方菓子」「パリ・スイーツ」「フランス菓子図鑑」など30冊以上。