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「きんつば」の言葉には、深い和菓子の歴史が刻まれていた!
北陸新幹線の全座席に配布される「西Navi」にも、今年取り上げられた金沢の銘菓の1つをご紹介したい。それは田中屋さんの「きんつば」だ。東京駅から金沢までの2時間半の間で、この記事を読んだ方もいらっしゃるだろう。
きんつばは、もともと京都で考案された和菓子で「ぎんつば」と呼ばれていた。きんつばの製法が江戸に渡ると“銀”より“金”の方が縁起良いとされて、「きんつば」と名前を変えて広まっていった。「つば」とは“日本刀のつば”のような円形をしていたからだ。現在は、形も「きんつば」と言えば、四角い角きんつばが一般的になり、日本を代表する歴史ある和菓子である。
中田屋さんの「きんつば」は、とにかく手に取った瞬間にずっしりと重さを感じる。その理由は、大粒の北海道産大納言大豆がぎっしりと詰まっていること。この粒をつぶさないよう煮あげ、砂糖と寒天を加えて四角い形へと作り上げていく。小麦粉の薄衣は、その薄さに感動するほど。重さはあるものの、甘さ控えめのため、ちょうど1つ食べると満腹感が得られる。
お茶受けにお出ししたところ、「上品なお味ですが、どちらのものですか?」と、着物に詳しく日本文化を勉強されている方に喜んでいただけた。いつもの手作りしたお気に入りの箱にも、ぴったりと入った。常温でも美味しいが、真夏日が続くこれからは、冷やして食べるのがおすすめ。
季節によって、うぐいす(えんどう豆)、さくら(白小豆の桜)、毬栗(栗)もある。
これからの季節は定番のきんつばを、是非、冷やして召し上がってほしい。通常は常温で食べるものであるが、ひんやりと冷たく爽やかな甘さがゆっくりと口に広がる。手土産にお渡しする時には「よろしければ、冷やすと2度の美味しさが楽しめます」と、一言添えてみて。
※掲載情報は 2017/06/07 時点のものとなります。
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キュレーター情報
発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー
高橋香葉
「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。
主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等