鮎のうるか
魚福 住所:大分県日田市隈2-5-15
大分県・日田の小鹿田焼(おんたやき)の里に行ったことがあります。小鹿田焼は、西暦1600年に朝鮮から 来た陶工らにより開窯された小石原焼(福岡)から分かれた窯だとか。どうりで素朴な雰囲気が似ています。その後、小鹿田焼きは一子相伝でコツコツと子孫に技術が継承され、柳宗悦やバーナード・リーチなどの民芸の巨匠たちに評価されました。今では「民藝の窯」として有名に。重要文化的景観に選定された皿山地区は、陶土を粉砕する大きな杵の音と水の音が聞こえるのどかなところです。
いきなり器の話で失礼いたしました。
今回は鮎の季節になったので、鮎のうるかを紹介します。
日田に行った友人が「はい、お土産です!」と、この「鮎のうるか」を持ってきてくれました。昔ながらのパッケージにまずやられます。ふたの上を覆うラッピングペーパーには、水草と鮎が二尾泳いでいる絵が描かれています。
そして、なんと、この鮎のうるかは、小鹿田焼きの壺に入っているのです。これが、日田名物「魚福」の鮎のうるか。素朴な壺のプレゼンテーションがとても素敵!
さっそく、味見。
うるかは、鮎の内臓をすり潰して作った塩辛のこと。食べてみると鮎の内臓と塩だけで作ったと思われる風雅な味。苦みや塩味が効いていて、これは酒の肴に最高です。酒飲みの友人が来て一口食べ「日本酒が飲みたい味!」と。
お酒に合うということは、ごはんの友としても最高なんです。
とくに私が好きなのは、「うるか茶漬け」。炊きたてのごはんにうるかをのせ、熱いほうじ茶か京番茶を注いでいただけば、清流に泳ぐ鮎の姿が目に浮かびそう。
この魚福、創業以来60年も川魚専門でやってきたお店です。日田に寄ったらぜひ、鮎のうるかをお土産に!価格もリーズナブル。それも応援したいポイントです。
住所:大分県日田市隈2-5-15
電話番号:0973-22-3125
魚福 住所:大分県日田市隈2-5-15
※掲載情報は 2017/06/07 時点のものとなります。
フードカルチャープロデューサー
博多玲子
東京生まれの東京育ち。上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業。
なんとなくポルトガル語学科に入ったのと同様、大手出版社に入社。仕事をしてみたら、編集の仕事の面白さに目覚め、『LEE』『Marisol』などの創刊に携わる。以来、長年女性誌、ビジネス書などの単行本の企画・編集を手がけた後、独立。担当範囲は、食、住、旅など。
現在は、書籍や雑誌の企画編集ライティングを手がけるかたわら、玉川高島屋・玉川テラスにてエディターの目線で面白いテーマを取り上げる「博多玲子サロン」で、セミナーをほぼ毎月開催。
個人的には、人気シェフのお料理教室や、「ぐうたら料理サロン」にて自身の料理教室や食事会を不定期開催。また、企業のアドバイザーなども手がける。
今まで地方にたびたび取材や旅行に行き、素晴らしいものが埋もれていることを実感。これからは本当に役立つ地方活性に力を入れていきたい所存。
手がけた書籍:
『タニアのドイツ式整理術完全版』(集英社)
『ザ・サンドイッチ・レシピ』『HOME PARTY 料理と器と季節の演出』(世界文化社)
『りんごLovers』『まいにち、パン。』(主婦と生活社)など