しっとり&ぐにゅっとした食感が斬新で旨い!千葉の銚子電鉄を救った「ぬれ煎餅」

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歴史ある煎餅の中でも、パリパリじゃない新感覚が新しい

しっとり&ぐにゅっとした食感が斬新で旨い!千葉の銚子電鉄を救った「ぬれ煎餅」

普段、なにげなく食べている煎餅(せんべい)ですが、調べてみると、実はとても歴史の古いものでした。飛鳥時代に中国から流入したそうで、正倉院が所蔵する文書に「煎餅」と登場するのだとか。もっとも、当時のそれは小麦粉と油を合わせて作ったもので、現在のタイプは、埼玉の草加煎餅が元祖だそう。そんな煎餅は“焼き”と“揚げ”に大別されますが、焼き煎餅はうるち米を潰したりして伸ばして焼いて作るゆえ、パリパリと硬いものが主流です。でも世の中には、しっとりタイプも。それが、ぬれ煎餅。一番有名なのは、おそらく銚子電鉄の「ぬれ煎餅」でしょうか。銚子電鉄は千葉県の銚子駅と外川駅を結ぶ、全長6.4㎞の小さな鉄道会社です。

分厚さと、柔らかさが、リピートする秘訣かも

しっとり&ぐにゅっとした食感が斬新で旨い!千葉の銚子電鉄を救った「ぬれ煎餅」

ちょうど今、「トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡」(杉山泰一監督)という映画になり、上映されていますが、乗客数の減少&前社長の業務上横領により2006年に電車の修理代が払えなくなり、その費用捻出のために売り出したのが、この「ぬれ煎餅」なのです。その結果、インターネットで話題となり、テレビのニュース番組にも取り上げられて注文が殺到、そして無事に復活を遂げたというわけです。とはいえ、その騒動からすでに11年。今も「ぬれ煎餅」が売れ続けているのは、商品自体の美味しさにあります。かつおダシを活かした普通味、赤の濃い口味、青のうす口味など種類がありますが、僕が一番好きなのは、赤の濃い口味。地元の銚子醤油の濃い味わいが、後をひきます。そして、なんといっても、しっとり感が。分厚くてしっとりとしているので、けっこうインパクトがあり、噛むと、ぐにゅっとした味わいが。そんな独特の食感があり、忘れられなくなるのです。

※掲載情報は 2017/05/29 時点のものとなります。

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キュレーター情報

はんつ遠藤

フードジャーナリスト

はんつ遠藤

東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。

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