トルティーヤプレス
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メキシコでは、数千年前からマヤやアステカなどの文明が栄え、その頃から、トウモロコシ、豆やとうがらしを使った料理が食べられてきました。16世紀に入ると、スペインがメキシコを支配するようになり、1821年にメキシコが独立をするまで、スペインの支配は300年続きました。その間に、メキシコでは食べられていなかった牛や豚、小麦粉、にんにくやたまねぎなどの野菜が食文化に取り入れられました。現在のメキシコ料理は、古代料理とスペイン料理の融合といえます。
スペインの影響を受けながらも、メキシコ古代の調理法や伝統料理は変わる事なく、現代にも受け継がれています。2010年には、「伝統的メキシコ料理」としてユネスコ無形文化遺産として登録が認められました。
皆さんは、メキシコ料理といえば日本でも馴染みが深い「タコス」を思い浮かべるかもしれません。しかし、「タコス」は主食ではありません。タコスに使われているトウモロコシの皮「トルティーヤ」こそがメキシコ人の主食なのです。
メキシコのトウモロコシの特徴は、それほど甘くはなく、黄色いもの以外に、白、赤、黒のものがあります。このトウモロコシをアルカリ性の石灰水でゆでてからすりつぶします。トウモロコシの生地は「マサ」と呼ばれ、円盤状に薄く引き伸ばして焼くと「トルティーヤ」の完成です。
「マサ」は、さまざまな料理に応用ができます。焼けば「トルティーヤ」になりますが、それよりも分厚く、ふちを高くしたものは「ソペス」と呼ばれ、牛肉やアボカドなどさまざまな具材を入れて、ピザ感覚で楽しむ事ができます。
味付けしたマサに肉やチーズ、野菜などを包んでトウモロコシの皮で蒸したものは「タマレス」と呼ばれます。タマレスは、軍隊や猟師、旅行者などの携帯食として重宝されてきました。ほとんどの州や都市に、その土地特有のタマレスが存在し、全国に500~1000種類ものタマレスがあるとも言われています。
タコスは「トルティーヤ」に具を入れたものとなります。調理の仕方でさまざまな味わいを楽しめる「トルティーヤ」は、簡単に作る事ができるので、是非ご家庭で本格的なメキシコ料理を楽しんでみてくださいね。
【トルティーヤの材料(4人分)】
強力粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2カップ
塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
エキストラバージンオリーブオイル・・・・・・・大さじ1
ぬるま湯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・120ml
【トルティーヤのつくり方】
1:ボウルに強力粉と塩を入れ、かるくまぜあわせる。
2:1にオリーブオイルを加え、かるくまぜる。そこにぬるま湯を加え、ひとまとめにする。ひとまとめにした生地を、強力粉(分量外)をふった台にとって軽く練り、ラップをして30分ねかせる。
3:2を8等分して、かるく丸める。めん棒をつかって、直径18cmぐらいになるように薄くのばす。
4:3をテフロン加工のフライパンまたはホットプレートで、片面30秒ほどずつ焼く。
トルティーヤの生地を、薄く延ばすのは案外難しいので、団子状にした「マサ」を入れてプレスすると簡単に形が出来上がるトルティーヤプレスという機械がメキシコの家庭では使われています。これがあれば、いつでも手軽にトルティーヤを作る事ができます。
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※掲載情報は 2017/05/12 時点のものとなります。
メキシコ合衆国大使館
北・中央アメリカに位置するメキシコは、西は太平洋、東はメキシコ湾とカリブ海に面していて、国土の3分の1は平均高度約1700mのメキシコ高原が占めています。古代にはマヤやアステカ文明で栄え、16世紀にはスペインによって支配されます。1810年まで続いた300年ものスペインによる長い統治にもかかわらず、7000年という歴史を持つメキシコ料理はその影響を最小限にとどめ、トウモロコシ、マメ、唐辛子をベース にした伝統料理をベースにした独自の食文化を守り続けてきました。その結果、2010年にメキシコ料理はユネスコ世 界無形文化遺産として登録されました。日本人に馴染みの深い「タコス」以外にも、さまざまな絶品料理がありますので本場メキシコ料理の魅力を発信していきます。