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美味しさが2度変化する?!贅沢なダブルコーンの秘密とは?
初めて行った恵比寿のレストラン「AU GAMIN DE TOKIO(オー・ギャマン・ド・トキオ)」で、とうもろこしのムースを注文した。雲丹と岩塩がのっていて、とうもろこしの甘さが引き立つ前菜で、看板メニューとのこと。とうもろこしのムースは同じだが、シェフによっては、上にかかるソースがクルミのソースになることもあり、それぞれの料理へのこだわりが伺える。しかし、とうもろこしのムースは木下オーナーシェフのスペシャリテであることから、ベースは常に同じもの。なめらかでしっかりとしながらも、素材の甘みを引き出したコクの深い味わいが特徴だ。そんな人気を誇る前菜が、洋菓子に形を変えて、手土産になったので、是非ご紹介したい。
知り合いを連れていく時は、必ずこのとうもろこしのムースを注文する。それが、二軒目で満腹だったとしても、みんなふんわりとしたムースをあっという間に完食。岩塩がとうもろこしの甘さを引き立て、絶妙なバランスで食欲をそそるのだ。
「とうもろこしのムースサンド」として洋菓子になっても、この塩味のバランスは変わらない。実は2016年から店内に貼ってあるポスターを見ており、このスイーツの存在自体は知ってはいた。だが、前菜からは洋菓子になった味が想像できず、注文をためらっていた。
ある日、実際に食べてみたところ、あの「とうもろこしのムース」の味を存分に味わうことができると、驚いた。それも、前菜ではなく、スイーツとしていつでも小腹がすいた時にいつでも楽しめるのは、うれしい。自宅でいつでも楽しるだけでなく、その味を手土産として、人にお渡しすることもできるのだ。
スイーツの特徴として一番最初に感じたのは、サンドのクッキー生地の心地よい歯ごたえ。その秘密は、砕いたコーンフレークが配合されていること。つまり、ムースにもクッキー生地にも、ダブルでコーンが贅沢に使われているのである。そのバランスの良さが、あとを引き、前菜からスタートしたことを忘れるほどのクオリティの高いスイーツだ。
そして、何よりも、2通りの食べ方で楽しめるのもうれしい。
前菜の時は、解凍されたムースを使用している。しかし、この「とうもろこしのムースサンド」は冷凍して保管するため、冷凍庫からそのまま出して食べると、“とうもろこしのアイスサンドクッキー”になるのだ。これにより、コーンフレークのサクサク感が強調され、アイスのような感じで、お風呂上りや少し暖かい日のおやつには最適だ。
2つ目の楽しみ方として、解凍してみると、レストランの前菜に近い味わいへと変化する。解凍が進むにつれて、とうもろこしの甘さと塩味が強く感じられるようになり、クッキー生地はしっとり感とした、落ち着いた存在になる。おやつとしても十分楽しめるが、塩味が引き立つため、お酒のおつまみとしても。
木下オーナーシェフのスペシャリテが、このとうもろこしのムース。そして、この度そのスペシャリテがお菓子として販売。このメニューがいかに人気だったか、お分かりいただけるだろう。私も「とうもろこしのムース」ファンの一人だったので、洋菓子として自宅で楽しめることは、とてもうれしい。おそらく、自宅で食べたいというお客様からの要望も多かったのでないだろうか。
冷蔵庫に、春から夏にかけてストックしておきたい逸品。一般的なアイスクリームより甘すぎず、自然な甘さが体に優しい。楽しみ方も2通りあり、これからの季節には、手土産にも喜ばれること間違いないだろう。レストランの味を、ゆっくりと自宅で味わってみては。
※掲載情報は 2017/03/29 時点のものとなります。
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キュレーター情報
発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー
高橋香葉
「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。
主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等