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日本酒は、日本各地で土地の気候や地元名産の食物に合うものが作られ、広く流通しています。そのうち名酒と呼ばれるものもまた、飲まれる方の好みが豊富であることから数多く存在しています。こちらの記事では、「日本酒」ランキングの上位に入るような有名なお酒やその酒造は取り上げておりません。きき酒師やソムリエ、味覚の敏感な料理研究家などの皆さんがこれぞと思う、知る人ぞ知る酒造・代表的な日本酒をご紹介していきます。
1:京都 木下酒造/【純米酒】Time Machine 1712
天保13年から170年余りにわたって続く木下酒造は、現在11代目の蔵元のもと、平成19年からイギリス人の杜氏が務めています。代表作の一つである、1712年の江戸時代の製法で醸した日本酒であるTime Machine 1712(タイムマシン1712)は、全国新酒鑑評会、大阪国税局清酒鑑評会で入賞しました。兵庫県の北錦というお米を使ったTime Machine 1712は、アミノ酸の豊かな旨みのある甘口のお酒です。
2:長野県 岡崎酒造/【純米大吟醸酒】亀齢(きれい)
岡崎酒造は、1665年から続く長野県上田の小さな酒蔵です。2003年から女性が杜氏を務めています。全国に約25人しかいない女性杜氏の一人である岡崎美都里氏は醸造学を修め、杜氏の技術も継承してきた逸材です。
信州のお米と名水とを用いた「亀齢(きれい)」は、越乃寒梅や久保田などの有名な酒造を抱える新潟県もカバーした関東甲信越地域の、第86回関東甲信越国税局酒類鑑評会(2015年)で吟醸部門「最優秀賞」、純米部門「優秀賞」を受賞しました。
3:兵庫 小西酒造/【大吟醸酒】大吟醸ひやしぼり
創業460年の老舗・小西酒造は「味づくり 幸せづくり ひとすじに」の志のもとに、兵庫県伊丹で続いてきた酒造です。「KONISHI 大吟醸ひやしぼり」は、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2014」で最高金賞を受賞しました。気軽な食中酒として、しっかりとしていながら甘みや辛みはきつくなくフルーティな飲み口、飲みやすさのある味を持ち合わせています。その実力から、2014年夏にANA国際線ファーストクラスで機内食提供時のお酒に採用されました。
4:高知県 南酒造場/【純米吟醸酒】南
高知県の南酒造場は、地元では「玉の井」、東京などでは「南」の名で知られるブランドを展開している酒造です。旨みが効いて、かつキレも感じられる「酒だけでも飲める日本酒」を目指しているだけあって、きき酒師の上位資格「日本酒学講師」最年少保有者である紹介者も絶賛する味です。量販店ではなく個人経営の酒販店を中心に販路を拡大してきましたが、生産量が限られるため販売店はまだ多くなく、待っているだけではなかなか出会えないお酒です。
5:秋田 飛良泉本舗/【純米酒】囲炉裏酒
秋田の飛良泉本舗は、日本で3番目に古いともいわれる酒造です。代表作の「囲炉裏(いろり)酒」は、お燗にすることでより一層美味しさの引き立つお酒を目指して開発されました。第2回世界利き酒師コンクールで優勝した正真正銘のお酒好きである紹介者は、「やや甘くミルキーで、柔和でほっとさせられる香り」と賞賛しています。秋田という寒い土地ならではの、冬の温かい食事をより美味しくします。もつ煮込み、たら白子ポン酢など個性の強い食事にも合います。
6:宮城県 勝山酒造/【純米大吟醸】DIAMOND AKATSUKI
宮城県の勝山酒造は、320年続く伊達家御用達の酒造です。様々な酒の味を、料理と合うか精密に分析してきたレストランのオーナーシェフである紹介者が選んだ「DIAMOND AKATSUKI(ダイアモンド・アカツキ)」は、地元兵庫県産の特Aランクの山田錦を元に、麹造りや発酵、抽出に至るまで、勝山の杜氏 藤光昭氏の執着と言えるほどの精神力と技術力で作られた、酒造最高峰のお酒です。飲みやすく、どんな料理にも合う辛口の味わいです。
7:兵庫県 香住鶴株式会社/【純米酒】凍結濃縮酒 山廃25°
1725年創業の兵庫県の酒造・香住鶴株式会社は、革新的な日本酒の製造法を模索してきた酒造です。「凍結濃縮酒 山廃25°」は、地元の魚介類、但馬牛などの食材を肴に合う旨い酒を目指して開発されました。
黒ラベルと赤ラベルの2種類ともに、特許の「前面凍結法」により日本酒の旨み成分だけを濃縮した贅沢な味わいに特徴があります。黒ラベルは、コクのあるまろやかな口当たりで、後味はさっぱりとしています。赤ラベルは、マイルドな辛口で、米の旨みや後味をしっかりと感じる仕上がりとなっています。いずれも中華料理、燻製など味の濃い料理に合います。
8:岡山県 御前酒辻本店/【純米酒】GOZENSHU NINE
1804年に創業した岡山県の御前酒辻本店に生まれた女性は、2007年に杜氏に就任しました。6年連続広島国税局清酒鑑評会「純米酒の部」優等賞受賞、2011年備中自醸清酒品評会6年連続金賞、優等賞、名誉賞を受賞する実力派です。
9人の蔵人で醸す「GOZENSHU NINE」は、「自分たちと同世代の若者たちにとことん愛される酒」を目指して作られました。すっきりとした辛口ベースで、期間限定など味にバリエーションがあります。
9:宮城県 平孝酒造/【純米酒】日高見 超辛口純米酒
宮城県の平孝酒造は、蔵元が酒質設計を描けるよう成長しようと試行錯誤を繰り返し、作り上げたノウハウを体系化して高品質の酒造を実現するという、意欲的な酒造です。代表作の「日高見 超辛口純米酒」は、「すこぶる旨い、超辛い」、冷やでも燗でも美味しい純米酒です。辛みの刺激の後は旨みがあり、チーズやナッツといった脂分の多いお肴にも良く合います。合わせやすい味わいのため、白ワインと合わせるような感覚で色々なお料理と一緒に愉しめます。
10:兵庫県 浜福鶴吟醸工房/【リキュール】浜福鶴LIMOUSIN
浜福鶴吟醸工房は、兵庫県にある酒造です。長く続く酒造の歴史の中で、他の酒造との合併や後継者不足による他の酒造グループへの参入や、阪神・淡路大震災での被災など多くの困難を乗り越えてきました。「浜福鶴 LIMOUSIN(はまふくつる リムーザン)」は、この酒造の代表格です。兵庫県の山田錦と六甲山の伏流水で特別醸造した原酒を、リムーザン・オーク仕様のブランデー樽に詰めて5年熟成させたものという、一風変わった日本酒です。
※掲載情報は 2017/03/15 時点のものとなります。
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