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新しいお菓子が次々と生まれては消えていく中、いつまでも変わらないままのお菓子があります。「あぁ懐かしい」「子どもの頃に食べたまま」「そういえば好きだったなぁ」そんなノスタルジックな想いにさせてくれる懐かしいお菓子って誰しもがもっているものではないでしょうか。
中にはとびきりのお気に入りで滅多に食べることのできない、プレミアムな価値のあるお菓子もありますよね。昔からの愛着もありますし、若い世代に伝えていきたいお菓子を集めてみました。
1:ぐにゃりと噛み潰れる昔ながらのゼリー、みすゞ飴
国産の完熟果汁に寒天、グラニュー糖、水飴を加えてゼリーにした「みすゞ飴」。今はやりの固めのゼリーとは明らかに違う、噛んだ瞬間にぐにゃりと歯と歯の間で噛み潰れる食感はみすゞ飴にしかないもの。あんず、もも、うめ、ぶどう、さんぽうかん、りんごの6種類はオブラートに包まれており、その姿はレトロそのもの。明治・大正期から飯島商店が作り続けている由緒あるお菓子に、懐かしさを感じる人は多いはず。オンラインなどでも購入できますが、長野県上田市にある本店は、その昔日本一の蚕種出荷量を記録した当時を思わせる国登録有形文化財に指定されている白い建物。機会があればぜひ本店に足を運んでみて。
2:上方の芸子にも愛された、江戸生まれの粋な梅ぼ志飴
「榮太樓總本鋪」の「梅ぼ志飴」。梅ぼしという名前からさぞ酸っぱいのだろうと想像すると、意外にも甘いこの飴。実はこの梅ぼ志飴、ザラメとさつま芋から作られた水飴なんです。熱い飴がまだ固まらないうちに小さくちぎり、それを丸めるのでひとつひとつ表情が違う三角形にし、おまけにその表面につく皺がまるで梅ぼしのようだとその名がついたのだとか。その昔、化粧品がまだ高価だった明治・大正の頃、上方の芸妓・舞妓たちは、「梅ぼ志飴を唇に塗ってから口紅をつけると唇口が荒れず紅に照りが出る」と、東京のお土産にはこれをと客に頼んだそうです。江戸っ子には小さい頃からなじみのあるお菓子。地方ではそんなふうに愛されていたんですね。
3:口の中で一瞬で溶ける、極薄の砂糖。ボンボンはやっぱりこうでなくちゃ。
ウイスキーやリキュールをチョコレートで包んだ「ウィスキーボンボン」。実はボンボンとはもとはチョコレートではなく砂糖でアルコールを包んだお菓子のことを指すということは、ご存知でしたか?その繊細さゆえに、持ち運びには注意が必要だからでしょうか。お酒を薄い砂糖の膜で包んだお菓子、ボンボンは現在ではあまり見られなくなりました。そんな中、レーズンサンドなどで有名な「六花亭」のボンボンは、昔ながらのお砂糖のボンボンを作り続けています。お口の中に放り込むと砂糖の膜がふわっととけ、お酒の芳香とアルコールの苦味やうまみが感じられます。紅茶とも相性がよく、あえて溶かして飲むのもツウの楽しみ方です。
4:織田信長の大好物だった!?ポルトガルから伝わった砂糖菓子
昔懐かしのお菓子といえば、外せないのが「金平糖」。ポルトガルから献上品として伝わった「confeito(糖菓)」が日本語風になまって伝わったと言われています。グラニュー糖などの小さな粒を芯にして、シロップをかけながら加熱し徐々に大きくしていく金平糖。直径1.5cmほどのあの独特のイガイガを、匠は2週間もかけて作るそうです。伝播当時は将軍レベル食べることができない超高級品でしたが、機械で作られる現在では一般人でも手に入るものになりました。「星果庵」の金平糖“コンフェイト”シリーズは、プレーン、抹茶、ほうじ茶、塩、ワイン、和三盆。昔ながらのイガイガとふんわりした甘さはそのままに、現代風のお洒落なパッケージも目が離せません。ちょっとしたプレゼントにも最適です。
5:創業1752年(宝暦2年)!富山「薄氷本舗 五郎丸屋」のT五(ティーゴ)
富山県小矢部市にある「五郎丸屋」は、創業は江戸中期の1752年という由緒ある老舗和菓子店。現在のご店主さんで、なんと16代目!代表銘菓「薄氷(うすごおり)」は、富山特産の新大正米を使用した薄い煎餅に、阿波特産の高級和三盆糖を独特の製法で刷毛塗りして作られたお菓子は、藩政時代には加賀藩主前田公から幕府に献上されたりしていたそうです。
ご祝儀袋のようなパッケージが印象的な富山の銘菓「T五」。読み方は、「ティーゴ」と読みます。ふわふわのコットンに包まれた干菓子なのですが、とても繊細なで、五色のキレイな色をしています。
6:缶を空けると、まるで宝箱!「冨貴寄ハート日和」
創業1890年(明治23)の歴史のある銀座菊廼舎の「冨貴寄」は、種類も豊富で時期限定で販売されている商品も多くあるので、選びやすいのも魅力なお菓子です。そして、今の時期にオススメなのが「冨貴寄ハート日和」。ふたを空けると、そのときそのときのモチーフとなるものが目に飛びつく仕組みなのですが、こちらで紹介している「冨貴寄ハート日和」は、ハートそのものが飛び込んでくるインパクト!金平糖なども愛らしいパステルカラーのお菓子が沢山入っていますし、新しさと懐かしさも味わえる、そんなお菓子です。
7:100年以上の歴史ある「大心堂」の「古代」
明治30年(1897年)に創業以来、おこしのみを作ってきたおこし専門店「大心堂」。東京土産として重宝されてきた雷おこしでしたが、それだけでは満足できない当時の店主が時間をかけて生み出しのが、この「古代」です。厳選した落花生、おこし種、水飴、砂糖を原料にし、熟練した職人の手によって製造されていますが、「おこし好きでない人もきっとおいしいと言うはず」という太鼓判も押せるとのこと。
8:歴史に偽りなし!400年以上の歴史ある「とらや」の羊羹
老舗和菓子屋の「とらや」の台帳には、開店当時からの注文記録が残っているそうなのですが、その中に、幕末のころ、徳川家茂が孝明天皇へ「夜の梅」を贈ったという記録が残っているそうです。いろいろなフレーバーが楽しめる羊羹が特徴ですが、今も同店の定番として愛される「夜の梅」は、切り口の小豆が夜に咲く梅のようであったから名付けられた小倉羊羹が人気です。とらやの羊羹こそ、日本を代表するに値するお菓子として残していきたい逸品です。
※掲載情報は 2017/03/08 時点のものとなります。
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