唐饅頭(とうまんじゅう)
末広製菓
「饅頭」というと、柔らかい餅の中に餡子が……とイメージされると思うが、愛媛県でも南予地方にのみ伝わる銘菓は、その予想を裏切る形状と、驚きの食感だ。
「唐饅頭(とうまんじゅう)」とは、江戸時代の初め、長崎においてオランダ人から製法を伝えられたとされ、古くから南予地方の代表的なお菓子として親しまれている。まず、見た目はどうみても、饅頭というよりは煎餅に近い。生地の中に、柚子餡や黒糖餡を入れてから薄くのばし、銅板で焼き目を付けてからオーブンで焼き上げたシンプルな和菓子。宇和島・八幡浜・大洲を中心に幾つものお菓子屋さんで手作りされ、店ごとに味も食感も微妙に違う。地元の唐饅頭好きは、「私はここ!」と贔屓の店があるものだ。
中でも私のお気に入りは、昭和9年創業で、後継者不在のため2016年末惜しまれながら暖簾を畳んだ「峰田菓子舗」。残念だな~と思っていたら、なんと!その「峰田」の味に惚れ込んで弟子入りし、その製法を受け継いだ店があると聞いて、早速工房を訪ねた。大洲市にある「末広製菓」。若いご夫婦が伝統の製法にこだわり、唐饅頭一本で創業していたのだ。
確かに!あの峰田さんとこの、サクッ、ホロ!が受け継がれていて感激した。
地元、愛媛県産天然柚子ジャムで柚子餡を作り、小麦粉と麦芽水飴で生地にして焼き上げる。秒単位で焼き加減の塩梅が違うので、毎回毎回が勝負。「ここまでたどり着くまでに、ウチの子どもたちは失敗作の唐饅頭を食べすぎて、唐饅頭がキライになってしまいました」と笑うご主人。我が子が食べても安心なお菓子をと、当然、無香料無着色だ。大洲ええモンセレクションにも認定された。
焼きあがったばかりの唐饅頭を口に運ぶ。
優しい素朴な香りと、サクッとした独特の食感。そして、「唐饅頭は固い」という印象をお持ちの方は、ここから驚いてもらいたい。口に含むと、柚子の風味が広がりながら、ボウロみたいに生地がほろほろとほどけていくのだ!黒糖餡もあり、日持ちもするし、潰れにくいので、手土産にも喜ばれる。トースターで1分ほど加熱すると、焼きたての風味が楽しめるのでお試しを。
峰田菓子舗の唐饅頭に惚れ込んだご主人の情熱が、「峰田の味」をこの先も伝え続けてくれる。
末広製菓
※掲載情報は 2017/02/12 時点のものとなります。
フリーパーソナリティ/タグプロダクト
やのひろみ
1975年生まれ。松山市出身。
有限会社タグプロダクト取締役。
小中高校と運動部に所属。バレーボール・テニス・ハンドボールと、スポーツ三昧の生活をおくる。
大学在学中は劇団に所属し、イベント音響などの裏方スタッフとして活動するうちにそれが高じてこの世界に足を踏み入れ、ディレクターはもちろん、パーソナリティとしても活動。また、愛媛県内市町主催催事や企業イベントなどの企画運営にも力を入れ、各催事を総合的に盛り上げることにもチャレンジしている。現在、テレビラジオ出演ははもちろん、CM出演や企業イメージキャラクターなども努める。
2007年6月に第一子を出産。
2010年5月に第二子を出産。
2010年 第47回ギャラクシー賞 ラジオ部門 DJパーソナリティ賞受賞(全国で1名)
2009年・2012年・2013年・2014年 民間放送連盟賞ラジオ部門全国優秀賞受賞。
NPO法人 俳句甲子園実行委員会 理事
NPO法人 国際地雷処理・地域復興支援の会 理事
キリンビールを応援する、愛媛の お祭り課長
砥部焼大使第106号
大洲味楽来しいたけ 宣伝大使