記事詳細
紹介している商品
小さなお店が作ったイギリスを代表するソース
今回からippinに参加しました、市ヶ谷の「Swan & Lion」というお店で英国料理のケータリングとパンの販売を行っているイアン ギビンスです。イギリス生まれなので、イギリス発の逸品をご紹介していきたいと思います。
最初に何を紹介しようかと迷いましたが、イギリスといえばこの味!ともいえる、各家庭のキャビネットやレストランのキッチンに必ずあると言っても過言ではない、私のお店でもお客さんにとても人気がある「HPソース」をご紹介します。
「HPソース」のHPの意味は“Houses of Parliament(イギリスの国会議事堂)”の頭文字から来ています。パッケージには、イギリスの国会議事堂の絵も書いてあります。これはこのソースを開発したフレデリック・ガートンという人が、イギリスの国会にあるレストランでもこのソースが使われていると聞いて「HPソース」と名づけたそうです。
もともとは小さなグロサリーストアーから生まれたこのソース。主な材料は、トマト、デイツ(ナツメヤシ)、タマリンドそしてスパイスです。デイツ、タマリンド、スパイスは、もともとはイギリスにはない食材でしたが、インド植民地時代に入ってきたものです。意外と思われるかもしれませんが、この時代にカレーもイギリスに紹介され、今でも根強い人気を誇ります。今では英国ソースの約70%のシェアを誇る「HPソース」。英国王室のお墨付きであるRoyal Warrantのマークも入っています。
イギリスでは、このソースを朝食「イングリッシュ・ブレックファスト」のベーコン、エッグ、ソーセージなどにケチャップのようにかける事から1日が始まります。シチューやカレー、オムレツの隠し味としても使えます。写真のようにカリカリに焼いたベーコンをバンズで挟んでソースを挟むだけで、簡単においしいハンバーガーが出来上がります。トンカツにも試してみましたが、これもまた絶品!今度は焼肉にも試してみようかと考えています!
※掲載情報は 2017/02/10 時点のものとなります。
- 6
キュレーター情報
「SWAN&LION」オーナー
イアンギビンス
イギリス西部の街ブリストル生まれ。10代の頃、母親の影響から料理に関心を持つ。ロンドンで弁護士として働いたのちオーストラリアへ移住。オーストラリアで自家製の果実や野菜の保存術に目覚め、イングリッシュ・チャツネやピクルスやジャム作りを始める。仕事で来日した日本で、日本料理の奥深さや食材のクオリティーの高さを実感し、2015年に日本の食材を使って英国伝統のミートパイをはじめ日本ではなかなか味わえないスイーツを中心に販売し、ケータリングも行う「SWAN&LION」を市ヶ谷にオープン。イギリスの伝統を継承しながらも、日本のテイストを取り入れていくスタイルが評判となり、多数のメディアでも取り上げられる。