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古くから桐生に伝わる「ひもかわ」を堪能
全国各地にご当地うどんがありますが、結構変わっているのが群馬県桐生市に伝わる「ひもかわ」です。桐生は昔から家庭において小麦粉から麺を打ち、おもてなしの際にはうどんを振舞う風習があるほど浸透しています。人口は約11万5千人しかいない市ですが、市内には約80軒のうどん店があり、切磋琢磨なさっています。僕が住んでいる東京都葛飾区が約45万6千人もいて約130軒ですから、桐生は人口換算だとかなりの激戦区と言えましょう。平成10年には市内のうどん店有志などで「桐生うどん会」が結成され、マップ作りや教室、スタンプラリーなども開催しました。
創業約120年だけれど、建て替え移転して素敵な雰囲気に
そんな桐生のうどん店では、通常のうどんの他に「ひもかわ」と呼ばれる幅広麺を提供しているところもあります。なかでも人気なのが本町1丁目にある『藤屋本店』です。創業120余年。威風堂々とした建物ですが、綺麗で、結構新しいです。というのも、以前は隣にあって、老朽化のため移転オープンしたというわけ。「ひもかわ」はとっても珍しく、前日から仕込み、足踏み工程も経るという点ではうどんと同じですが、なにしろ幅広ですから、程よい舌触りが楽しいです。また、小麦の風味も良くて、噛みしめれば甘みも感じる麺です。店内でいただく時は、通常タイプもいいですが、深みのあるカレーのツユで味わう「カレーセイロひもかわ」がイチオシ。この麺が持ち帰りや通信販売もなさっているのが嬉しい限りです。家ではカレーとかではなく、王道的に、醤油ベースで魚介の効いたつけ汁でいただくだけで、もう十分です。また、思い切って生パスタ的な感じで、洋風に仕上げるのもまた一興。カルボナーラひもかわなんて、ちょっとイケてる雰囲気で、ぜんぜんアリです!
※掲載情報は 2017/02/04 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードジャーナリスト
はんつ遠藤
東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。