徳川家御用達のお茶として徳川家康も愛したお茶とは?

徳川家御用達のお茶として徳川家康も愛したお茶とは?

記事詳細


800年の歴史をもつ由緒正しいお茶産地・本山より

徳川家御用達のお茶として徳川家康も愛したお茶とは?

イギリスで仕事をするようになってから、海外の方々にどのようにして日本文化の奥深さを伝えられるのかを考えるようになりました。「お茶を飲む」というごく日常的な営みに美を感じ取る日本人の感性を伝えるために、もともと海外向けの商品として作られたのが、この「葵茶」です。

 

葵茶が作られているのは、安倍川餅で有名な安倍川の上流、「本山」という地域です。ここはなんと静岡茶発祥の地。

 

ブランド力でいえば京都の宇治茶に比べるとちょっと弱い(?)“残念な”静岡茶なのですが、実は本山は宇治と並び約800年という歴史をもつ由緒正しいお茶の産地なのです。

 

豊かな自然に囲まれたこの地域は、その地形から生まれる寒暖の差で安倍川の霧がかかり、天然のカバーとなって茶葉に照りつける陽射しをやわらげます。こうして、お茶の葉の中にアミノ酸や葉緑素を作り出して、甘み、旨味が感じられる香り高い上質なお茶になります。

 

徳川家康も、安倍茶(現在の静岡本山茶)を、徳川家御用達のお茶として愛しました。お茶は高価な茶壷に詰められ、標高1000メートルを超える峠のお茶壷屋敷で夏を過ごし、秋になって駿府城に運ばれたといいます。そもそも家康は、自分で薬を調合するほどの健康オタク。73歳まで生きた長寿の秘訣は、もしかしたらこのお茶にもあるのかもしれませんね。

 

葵茶(AOI)は、100%この本山茶原産のお茶で、ふくよかな香りと深く澄みわたる味わいが特徴です。パッケージの葵の御紋も家康ゆかりの久能山東照宮よりいただいたもの。

 

茶葉はホットでも水出しでも美味しくいただけます。

 

お友達やご家族と集う時に、水出し茶でワインのようにリッチな香りを愉しむのも良いですね。

徳川家御用達のお茶として徳川家康も愛したお茶とは?

現在、国内のお取り扱いは静岡市東海道広重美術館のみ。浮世絵パッケージは特に海外の方に人気があるようです。

 

上品なデザインと桐箱は、お世話になった方へのお年賀やギフトなどにもぴったりです。

※掲載情報は 2017/01/04 時点のものとなります。

  • 9
ブックマーク
-
ブックマーク
-
この記事が気に入ったらチェック!
徳川家御用達のお茶として徳川家康も愛したお茶とは?
ippin情報をお届けします!
Twitterをフォローする
Instagramをフォローする
Instagram
Instagram

キュレーター情報

大森久美

学芸員/栄養士

大森久美

栄養学を学んだ後、武蔵野美術大学卒業。芸術学士、学芸員資格を取得。2006年特定非営利活動法人ヘキサプロジェクトを設立。2010年より現地法人ヘキサプロジェクト・ロンドン・リミテッドディレクター。美術館のキュレーションを行うかたわら、アート/デザインのワークショップなどの教育普及や、地方で伝統の技を守り続ける職人達との商品開発にも精力的に取り組む。日本文化の奥深さを伝えることをミッションに、食とアートのスペシャリストとして日本の美意識を国内外に発信中。

次へ

前へ