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日本の伝統工芸が作り出す、一生もののワイングラス
1年のスタートとなる御節料理は、手作りのものや買ったものなどをとり混ぜながら、古くから家にある蒔絵のついた漆のお重に詰めていただきます。
同じ漆の屠蘇器もあるのですが、最近はお正月はワインやシャンパンを開けることが多く、お正月の飾りになっています。実用的で使い勝手がよく、漆器や和の器に似合うハレの席のグラスにおすすめは、金沢の伝統工芸の九谷焼が美しい鏑木ワイングラスです。
ワイン好きな人が認める本格的にワインが楽しめる鏑木ワイングラスは、ボルドー、ブルゴーニュをはじめ、赤ワイン、白ワイン、シャンパンなど全部で6タイプ。色や香りを味わうボウルの部分はガラスで、ボウル部分を支えるステムには、九谷焼が使われています。
青粒、赤絵などの伝統的な柄から、現代的なモダンな柄など、多くの種類から好みのものが見つかります。
ひとつひとつ手描きで描かれており、コレクションにして並べても素敵です。
ガラスとステム部分の九谷焼をつなぐのには高度な技術が必要なのですが、この鏑木ワイングラスの接着技術は、安心して使う事ができます。
なぜ、こんなにもワイングラスにこだわっているかといえば、文政5年(1822)から続く鏑木商舗8代当主、鏑木基由さんが無類のワイン好き。実際に日々使いこむことで、長年使い続けることができるグラスの強度を追求してきた証です。
九谷焼は、インパクトのある雅な色が特徴ですが、実は洋食器に組み合わせても素敵です。先日も、九谷焼の食器や鏑木グラスをフランスのクロスや磁器と合わせたのですが、色が喧嘩することなくしっくりまとまりました。
何でも、金沢とパリは空の色が似ていて、九谷焼はパリの伝統色と同じ色がたくさんあるそうですよ(金沢っ子の弁です!)。
金沢の藩政時代の面影を残す長町武家屋敷にある鏑木商舗本店には、貴重な九谷焼が並ぶミュージアム、九谷焼で頂くお食事処もあり、金沢を体験するにはぴったりなお店です。
今の冬の時期は、庭の木々には雪吊りがされ、通りの土塀に菰が掛けられ、金沢の風情が楽しめます。
金沢に行かれたら是非、立ち寄ってみてください。
鏑木グラス、通販でも購入可能です。
九谷焼窯元 鏑木商舗
石川県金沢市長町1丁目3-16
TEL:076-22-6666
※掲載情報は 2016/12/26 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フラワー&テーブルコーディネーター
鬼頭郁子
「旬を取り入れた花とテーブルの教室」は、少人数制のレッスンで着実に実力が向上すると、主婦からプロまで幅広く支持され、全国から生徒さんが通う。サロン主宰やスペシャリストを目指す方も多く、多数の教室主宰者を輩出、その育成やサポートにも力を入れる。教室運営のほか、トップブランドのコーディネートやプロモーションに関わるなど、多くの企業の花や食文化に関するセミナーをおこなっている。2014年、銀座5丁目にライフスタイルを彩るテーブルウェアなどの、セレクトショップ「イザベラ コンスタンチン」をオープン。著書も多数。