記事詳細
海鮮類もいいけれど、昔ながらの洋菓子をご堪能あれ!
その昔、徳川家康が湯治に訪れ、その後江戸城に温泉を運ばせたことで広く知られるようになった熱海。「新婚旅行といえば熱海!」という時代もあったようで、多くの観光客が訪れては温泉で疲れをとったり、季節の樹木を愛でたりしたものです。全国的に観光名所が増えたり、交通網が発達したりと、一時期衰退していた熱海もこの5年ほどで見事に復活。観光客が戻り、その光景は現在も変わりなく、山々の色彩と壮大な海のコントラストが美しい景色をみることができます。
山と海に囲まれた熱海の定番土産といえば海鮮類が思い浮びますが、おやつの時間にぴったりなお土産物があるんですよ。「温泉饅頭?」なんて、ま~その手もありますが、地元の方や観光客に親しまれている洋菓子があるのです。
サクサクの軽い食感に食べる手が止まらない「ネコの舌」
1948年の創業から熱海の地でフランス菓子を販売し続けている「三木製菓」。その代表格のお菓子といえるのが、「ネコの舌」です。熱海らしい魅力ある地元商品を『熱海ブランド』として認定した“ATAMI COLLECTION A-PLUS”に選出されています。ラングドシャというフランス菓子がありますが、まさにそれ!猫の舌の形をしたクッキーです。
材料は、砂糖、小麦粉、バター、卵とシンプルですが、それゆえにバターの香りがふわっと広がって、サックサクでほろりと崩れるような食感がとても心地良いのです。家族や仲間と旅の思い出話を始めたら、いつの間にか無くなってしまうほどに飽きのこない味といえます。また、パッケージの箱が昔ながらの風情あるデザインで、袋詰めされたイラストもレトロ感満載。猫に合わせてか、ネズミのイラストなんですよ。いやはや、70年近く愛され続けている雰囲気が出ていてキュート!
三木製菓本店は熱海駅からバスで行くのが便利ですが、せっかくの熱海ですから徒歩で散策してみては?小説家である尾崎紅葉の『金色夜叉』の名シーンが再現された、「貫一お宮の像」のある熱海サンビーチを散策しながらお店を訪れるのも楽しいですよ。本店まで訪れるのが大変だと思う人も、熱海駅前にある「駅前第一ビル」の中に支店があります。このビルがまた昭和溢れる喫茶店や衣料品店が入っていて、探検するのが楽しいのです。
駅前周辺の商店街にも土産物屋さんがたくさんありますが、熱海土産のひとつとして「ネコの舌」を覚えておいてくださいね。
※掲載情報は 2016/11/25 時点のものとなります。
- 8
キュレーター情報
アジアンフードディレクター
伊能すみ子
アジアンフードディレクター/1級フードアナリスト 舞台制作や民放気象番組ディレクターを経て、食の世界へ。調理師専門学校で調理、食文化を学びながら、食の専門家であるフードアナリストとして活動を開始。メディアを中心に飲食情報の提案やアジア各国料理の執筆、講演、講師、レシピ制作などを行う。
「ASEAN食のコンシェルジュ」、「タイフードコンシェルジュ」、「カンボジア旅のリポーター」などの肩書を持ち、食と旅の提案も手がける。年に数回、アジア諸国を巡り、屋台料理から最新トレンドまで、現地体験を専門webサイトにて多数掲載。書籍『専門店が教える スパイスの基本』(PHP研究所)では、レシピを担当。日本にいながらも他のアジア諸国のおいしい料理を楽しめるような、環境作りを目指す。